「東京写真展案内」では、東京都内で開催される写真展をカメラ会社が運営するギャラリーを中心に紹介していく。今週は、アラビアの人々の心の故郷とされるイエメンの美しい光景や日系ブラジル移民の姿など、日本とは遠く離れているのに懐かしさや安らぎを感じさせてくれる作品展も開催される。たくさんある写真展の中から、お気に入りの展覧会を見つけ、是非足を運んでいただきたい。

コニカミノルタプラザ

谷井隆太写真展「えきすとら」

作者がファインダー越しに眺めた東京の街の人々は、映画のエキストラのように存在を消し、無機質な街と同化していた。希薄な存在となってしまった人々の中に自己の存在証明を見ようとして、作者は街の人々の姿を撮影した。

展覧会名 「えきすとら」
作家 谷井隆太
展示作品 カラープリント A3ノビ 約35点
会期 4月19日~4月28日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーA 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

綿貫淳弥写真展「豪雪の村~秋山郷~」

秋山郷とは長野と新潟の県境に位置する日本有数の豪雪地帯。2006年に大雪の影響で里との交通が一ヶ月近くも途絶えたという。そこに現れた陸の孤島と厳しい風土を受け入れて生きる人間の強い姿を作者はとらえた。

展覧会名 「豪雪の村~秋山郷~」
作家 綿貫淳弥
展示作品 モノクロプリント 全紙・全倍 約40点
会期 4月19日~4月28日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーB 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

第33回木村伊兵衛写真賞受賞作品展 岡田敦写真展「I am」、志賀理江子写真展「CANARY」「Lilly」

木村伊兵衛写真賞は、朝日新聞社が1975年より制定した国内屈指の写真賞。その年に優れた成果を挙げた「新人」写真家を対象にしている。第33回木村伊兵衛写真賞は岡田敦氏の「I am」、志賀理江子氏の「CANARY」「Lilly」が受賞した。

岡田敦写真展「I am」

これまで作者が発表してきた作品の読者や、呼びかけに応じ協力してもらった約50人のポートレート集。顔、裸体、そして自傷行為の傷跡が残る腕をとらえた写真が、生々しく見るものに迫る。若者たちのありのままの姿の被写体と向き合い撮った作品から、強くストレートなメッセージが伝わる。

展覧会名 「I am」
作家 岡田敦
展示作品 カラープリント 8点
会期 4月19日~4月28日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーC 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

志賀理江子写真展「CANARY」「Lilly」

「CANARY」は、仙台、オーストラリア、シンガポールで住民たちに質問し、答えに示された場所をたどりながら撮影した作品。また、「Lilly」はロンドンで住んでいた公営団地の住民に被写体になってもらい、そのプリントをさらに撮影した作品から構成された写真集。

(c)志賀理江子「CANARY」から

(c)(c)志賀理江子「Lilly」から

展覧会名 「CANARY」「Lilly」
作家 志賀理江子
展示作品 カラープリント 約30点
会期 4月19日~4月28日
会場 コニカミノルタプラザギャラリーC 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
開館時間 10:30~19:00(最終日は15:00まで) 年中無休

オリンパスフォトギャラリー

第34回寫壇太陽選抜展 テーマ競作「豪華客船」「花・艶やかに」「石の微笑」

寫壇太陽は、男女合わせて130名が在籍し平均年齢は60歳を越すシニアカメラクラブ。今年は『豪華客船』を初めてテーマに据え、100名近い会員が一年間横浜港に通い、日の出から夜間まで様々なアングルで入港したすべての船の撮影を続けた。

第34回寫壇太陽選抜展より

展覧会名 第34回寫壇太陽選抜展
作家 寫壇太陽
展示作品 オールカラー半切マットパネル仕上げで130点
会期 4月24日~5月2日
会場 オリンパスギャラリー東京 東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル
開館時間 10:00~18:00(最終日は15:00まで) 日曜・祝日休館

ペンタックスフォーラム

森下 恭写真展「天空の立山」

高さ20m近くの雪壁「雪の大谷」で広く知られる霊峰・立山は、富士山や白山と並び称される名山。立山の自然に人間の関わりを意識し、自然の変化を手がかりに立山を捉え直そうとした作品を展示。

展覧会名 「天空の立山」
作家 森下 恭
展示作品 カラー作品 約30点
会期 4月16日~4月28日
会場 ペンタックスフォーラム 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB
開館時間 10:30~18:30(最終日は16:00まで) 火曜日休館

槇村 玲写真展「イエメン―古き良きアラビアを旅して」

今も"アラビアン・ナイト"さながらの風景が垣間見える、古く美しい国イエメンは、アラビアの人々の心の故郷とも言われる。そんなイエメンの様々な表情を写したカラー作品約40点を展示。

(c)槇村玲

展覧会名 「イエメン―古き良きアラビアを旅して」
作家 槇村 玲
展示作品 約40点
会期 4月30日~5月12日
会場 ペンタックスフォーラム 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB
開館時間 10:30~18:30(最終日は16:00まで) 火曜日休館

ライカ銀座店サロン

上田義彦写真展「at Home」

日本写真界の第一線で活躍している写真家・上田義彦の写真展。妻である桐島かれんと4人の子供たちを13年間にわたり撮影した作品集の中から、厳選された14点の写真を展示する。

(c) Yoshihiko Ueda

展覧会名 「at Home」
作家 上田義彦
展示作品 14点
会期 4月18日~7月20日
会場 ライカ銀座店サロン 東京都中央区銀座6-4-1
開館時間 11:00~7:00 月曜日休館

富士フイルムフォトサロン 東京

風花の会作品展・第12年展「花舞台」

130名の会員が「写真を撮る」から「感性を生かした創作作品」を目指し、日々研鑽しています。個性を強調したクローズアップから大風景まで、花や自然風景をあらためて見つめなおし、固定概念を払拭し、カメラを道具として花の絵や風景画を描くつもりでの創作に邁進しており、その経過報告です。―風花の会会長のコメントより

風花の会作品展・第12年展「花舞台」より松崎義文「景花旅情」

展覧会名 「花舞台」
作家 風花の会
会期 4月25日~5月1日
会場 富士フィルムフォトサロン東京スペース1・2 港区赤坂9-7-3フジフイルムスクエア2F
開館時間 11:00~20:00(最終日は14:00まで)

八木仁志写真展「逢いたくば ブラジル移民百年の肖像」

日本人が初めてブラジルヘ移民してから今年で百年。神戸から出航した初の移民船「笠戸丸」に乗船していた最後の生存者・中川トミさんを始めとする、日系ブラジル移民の人々の姿を展示する。現代の日本が忘れかけている「こころ」へと「逢いたくば」…虹の橋を越えていこう、と背中を押してくれる写真展。

「イグアスの滝」(c)八木仁志

展覧会名 「逢いたくば ブラジル移民百年の肖像」
作家 八木仁志
会期 4月25日~5月1日
会場 富士フィルムフォトサロン東京スペース3 港区赤坂9-7-3フジフイルムスクエア2F
開館時間 11:00~20:00(最終日は14:00まで)

キヤノンギャラリー銀座

青木栄隆写真展「浮雲」

広告写真を舞台に活躍してきた作者が目を向けた「風景写真」の世界。自然が見せる姿に感動したり、面白いと感じたり。シャッターを切る動機はさまざま。「自然をできる限りシンプルに捉えたいと願って休日カメラを片手に歩いていた」と語る作者の描く風景写真に乞うご期待。

展覧会名 「浮雲」
作家 青木栄隆
会期 4月24日~4月30日
会場 キヤノンギャラリー銀座 東京都中央区銀座3-9-7
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 日曜、祝日休館

キヤノンギャラリーS

嶋田忠写真展「瞬写~野生の瞬間を捉える~」

少年のころより鳥に興味を持ち、35年にわたり撮影を続ける写真家・嶋田忠の写真展。カワセミやアカショウビン、シマフクロウ、中米生息のトカゲ「バシリスク」の姿を記録した作品53点を展示。

(c)嶋田忠

展覧会名 「瞬写~野生の瞬間を捉える~」
作家 嶋田忠
会期 3月28日~5月7日
会場 キヤノンギャラリーS 東京都港区港南2-16-6キヤノンSタワー1階
開館時間 10:00~17:30 日曜、祝日休館

銀座ニコンサロン

松本弥寸嗣写真展「NEUTRAL SCAPES」

広い交差点や道路、駐車場やお墓の近くといった空が開けた場所、また宙に向けて真っ直ぐ立つモノなどの特定の場所で撮影された作品展。モノクロームに色を抜かれた一連の写真に対して「空位の光景」という意味で「Neutral Scapes」というタイトルを付けている。

展覧会名 「NEUTRAL SCAPES」
作家 松本弥寸嗣
展示作品 モノクロ 45点
会期 4月16日~4月29日
会場 銀座ニコンサロン 東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA1階
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 会期中無休

新宿ニコンサロン

内野雅文写真展「車窓から」

旅の目的は、はっきりしたものがあるものの、目的地に行くことだけが〔旅〕ではなく、その目的地に着くまでの〔過程〕が旅そのもの。寄り道をしながら各駅列車に乗り、道中の窓からみえる光景は、次から次へと途切れることなくその地域のたたずまいや日常生活を見せてくれる。そんな一つ一つの情景を、漆工の技のように何層にも何層にも積み重ねる。―作者遺稿より

展覧会名 「車窓から」
作家 内野雅文
展示作品 カラー 45点
会期 4月15日~4月28日
会場 新宿ニコンサロン 東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
開館時間 10:00~19:00(最終日は16:00まで) 会期中無休