プレミアムエディションとは何か?
CF-R7シリーズ特別仕様「プレミアムエディション」のCF-R7CWBAJP |
松下電器産業のLet'snote(以下、レッツノート)シリーズを購入するには、電気店や量販店などの店頭に出向くか、直販サイト「マイレッツ倶楽部」へアクセスするかのいずれかとなる。店頭では、店員さんにいろいろと質問や相談できるのが利点だが、天板はシルバーのみしか選べず、OSやハードウェアスペックも標準のものだけとなる。これに対して「マイレッツ倶楽部」では、カラー天板(通常は7種類または11種類)、CPU、HDD、メモリの容量、ネームプレート、Officeの有無、保証などを好みに応じてカスタマイズできる自由さが売りになっている。
本稿でお借りした貸出機は、その「マイレッツ倶楽部」のみで購入できるCF-R7シリーズの特別仕様「プレミアムエディション」のCF-R7CWBAJP(天板のカラーはミッドナイトブルー)である。
「プレミアムエディション」とは、「マイレッツ倶楽部」の中でも、1ランク上のスペックや保証が選べるモデルのこと(価格は26万8,000円から)。コンセプトが「大人の自由を手に入れる」というだけあって、黒を基調としたデザインが格調高いイメージをかもし出している。主な特徴は以下の3つである。
1ランク上のスペック | CPUにCore 2 Duo超低電圧版U7700(1.33GHz)を採用 |
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Intel Turbo Memory搭載(Vistaモデルのみ | |
HDDは250GB搭載 | |
特別仕様のカラー天板が選択できる | カラー天板は「ジェットブラック」、「スパークリングブラック」、「ミッドナイトブルー」、「プロミネントレッド(限定100台)」の4色 |
キーボードとパームレストがマットな黒で統一されている・ホイールパッド用シール付き | |
「プレミアムエディション」専用の保障 | 盗難時の保証を追加した「3年特別保証プレミアムサービス」(無償) |
主な仕様とインタフェース
レッツノートCD-R7CWBAJPは、CPUにCore 2 Duo超低電圧版U7700(1.33GHz)を採用。チップセットはモバイル インテル GM965 Express、HDDは約250GB、メモリを標準で1GB搭載している。OSにはWindows Vista Business正規版がインストールされているが、Windows XPダウングレード権を含んでいるため、必要に応じてXPに乗り換えることも可能だ。
各種インタフェースは必要最小限のものがコンパクトにまとめられており、別売のミニポートリプリケーターを使えば、USBポートやLANコネクター、外部ディスプレイコネクターを追加できる。
左前面には、電源状態表示ランプ、SDカードスロットと状態表示ランプ、エコノミーモード(ECO)ランプ、バッテリー状態表示ランプ、オーディオ出力端子、マイク入力端子が並ぶ。右前面には無線切り替えスイッチがある |
左側面には、電源(ACアダプター)端子、外部ディスプレイコネクター、別売りのミニポートリプリケーター「CF-VEBU05BU」用コネクター、PCカードスロットがある。右側面には、USBポート×2、モデムコネクター、LANコネクターが並ぶ。USBポートの左側にある小さな凹みはセキュリティ用のケーブルを接続するための機構である |
あまりの軽量にびっくりしたので計量してみた
実際に計量してみると、重量は約944gであった(バッテリー装着、メインメモリ1GB搭載時)。おそらく個体差はあるものの、ほぼスペックどおりの重さである |
CF-R7CWBAJPのサイズは幅229×奥行187×高さ29.4~前部/後部42.5(mm)のB5変形である。重さは、約220gの標準バッテリーを装着した状態で約950g(メインメモリを2GB搭載時。1GB搭載時は約940g)という軽さである。実際、荷物が届いたとき、あまりの軽さに「もしや中身を入れ忘れたのでは」といぶかったほどである。試みに重量を確認してみると約944gであった。個体差はあるものの、ほぼスペックどおりの重量であることがわかった。
それほど軽いなら、やはり持ち歩いてみたくなるもの。毎日保育園へのお迎えがある筆者としては、通勤用の荷物を減らすことは至上命令なのだ。ただ、いくら堅牢をうたっていても、そのまま鞄にポイッと放り込むのもためらわれたので、フェイスタオルでぐるっとひと巻きし(これも大雑把ではあるが)、AC電源、マウスなどの小物を入れたポーチを詰め込んで、いざ出勤。いつもの手帳と化粧ポーチがノートに変わっても重さはほとんど変わりなく、かえって軽くすら感じる。この程度の重量なら、8キロ少々の赤子を抱いた状態でもまったく負担にならない。ビジネスパーソン、学生のみならず、忙しい母にもぜひオススメしたい衝撃の軽さである。
水にも衝撃にも強いレッツノート
レッツノートのコンセプトの1つに、「頑丈」と書いて「タフ」と読ませる性能がある。これらは、約76cmからの落下や防塵・防滴試験など、工事現場など過酷な現場で使用するノートPC「タフブック」で培った各種試験に裏打ちされている。満員電車内での圧迫を再現した圧迫・振動に耐える「耐100kg級ボディ」(100kgf加圧振動)は伊達ではない。
思わず「ほほう」とうなってしまった「キーボードに水をこぼしたとき」の注意書き。最新TVCMでは、相当派手に水をかけるシーンがあったし、カタログやサイトでも「水をこぼしても大丈夫」とある。もちろん、こぼさないのが一番なのですが |
そのうちの1つ、今回テレビコマーシャルでも大きくフューチャーされているのが「キーボード全面防滴」機能だ。キーボードに水をこぼしても本体に水が入り込みにくい「ウォータースルー構造」と「防水キーボード」を採用して、モバイルパソコンの破損原因の上位にある「水をこぼす」というリスクを軽減しているという。
本当にこぼした際には点検に出さなければならないようなのと、借り物のマシンに水をかけてみる勇気はさすがに持てなかったので、試すには至らなかったが、携帯電話をトイレで……という経験を持つ「うっかりさん」としては、備えあれば憂いなしの安心機能である。
このへこみはただのデザインではない。ディスプレイ側にはこのへこみにピッタリ合う出っ張りがあり、カバーを閉じるとこの2つがかみ合って、落下時の破損を低減する「抱え込み構造」となるのだ。なお、パームレスト側の左右の角には無線LANアンテナが内蔵されている |
レッツノートでは、他にも衝撃に強い機構がいくつか施されているが、ぱっと見デザインに見えるような部分にも工夫が凝らされている。たとえば、パームレストの端にはちょっとした凹みがある。パソコンのカバーを閉じると、液晶ディスプレイ側の凸状の出っ張りがこの凹みにかみ合って液晶パネルを抱え込み、損傷の危険性を低減する「抱え込み」構造を構成するのだという。頑丈でも、カッコ悪ければ持ち歩きたくなくなる。見た目に不自然さがなく、すんなりと受け入れられるようなさりげなさに好感が持てる。
セキュリティ関連項目はオリジナルソフトで簡単設定
筆者はWindows Vistaを使い始めて間もないため、OSの設定、特にセキュリティに関する設定は、どこで行うのか迷うことが多い。そんな筆者がなかなか便利だと感じたのが「セキュリティ設定ユーティリティ」。ほとんどがOSで設定できる項目だが、ひとまとまりにされているため、設定したい項目を探すことなく、すばやく設定できるのがありがたい。また、インタフェースもわかりやすく操作しやすいのもいい。
まさに「軽量・長時間・頑丈」を地で行くレッツノート。安心を持って歩いているような気分になれるのは、ノートPCにとって何が必要かをわきまえた者だけが作りうる製品だからだろう。なお、レッツノートのカラー天板は、プレミアムエディションの4色を含めて全部で15種類もあるので、機会があれば「カラー天板常設展示スペース」で実物を眺めてみるのもいい。東京の場合は、JR東京駅の八重洲中央口改札前と有明にあるパナソニックセンター東京で見ることができる。東京以外には、大阪、名古屋、札幌、仙台、福岡の6都市にあるので、詳細はWebサイトを参照されたい。
スペック(テスト機)
CPU | Core 2 Duo超低電圧版U7700(1.33GHz) |
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チップセット | モバイル インテル GM965 Express |
メモリ | 1GB(最大2GB) |
グラフィックスチップ | チップセット内蔵 |
ディスプレイ | 10.4型ワイドTFTカラー液晶(XGA、1,280×768) |
HDD | 250GB HDD |
光学ドライブ | - |
有線LAN | 内蔵(10BASE-T / 100BASE-TX / 1000BASE-T) |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g |
Bluetooth | - |
モデム | データ: 56kbps、FAX: 1.44kbps |
Webカメラ | - |
その他の主な機能 | TCG 1.2準拠TPMセキュリティチップ |
メディアカードスロット | 内蔵(SD/SDHC) |
拡張カードスロット | PCカード(TYPEII) |
インタフェース | 外部ディスプレイ(D-Sub15ピン)、USB2.0×2、モデムコネクター、ミニポートリプリケーター、ヘッドホン出力、マイク入力 |
本体サイズ | 229(W)×187(D)×29.4(H)~42.5(前部 / 後部)mm |
本体重量 | 約940g(バッテリーパック装着時) |
バッテリ駆動時間 | 約7.5時間 |
OS | Windows Vista Business |
マイレッツ倶楽部 | 26万8,000円から |