世界を熱狂させるモータースポーツの最高峰・フォーミュラ・ワン(F1)。その歴代のF1カーに出会える展覧会「F1 疾走するデザイン」が東京オペラシティアートギャラリーにて開催されている。期間は6月29日まで。

ロンドンでの展示風景 ※禁無断転載

展覧会「F1 疾走するデザイン」は、2006年にロンドンのデザイン・ミュージアムにより企画されたF1におけるデザインをテーマとした国際巡回展の日本展。最先端のテクノロジーばかりが注目されがちなF1カーにおいてデザインが果たしてきた役割を、F1グランプリが初めて開催された1950年から現在までの各時代を代表するF1カーによって検証する。また、4つのセクションから構成される同展では、映像資料やパーツごとに分解されたマシンの展示などによって、普段見ることのできないF1の舞台裏にも迫るという。

1967年 モナコGP マシン:ブラバムBT20レプコ、BRM P61、ドライバー:デニー・ハルム、ジャッキー・スチュワート ※禁無断転載

ここでは、同展の展示内容をセクションごとに抜粋してご紹介したい。本来、「DESIGN(デザイン)」という言葉は、中世ラテン語の"下地を描く"から派生した"設計"という意味をもつという。"技術"と"デザイン"とが強固に結びつき、勝利を勝ち取るために生み出されたF1カーの世界を存分に味わっていただきたい(※なお、「セクション3:映像で見るF1の歴史と舞台裏」は映像展示のため省略)。

セクション1:グランプリレース100年史

セクション1は「グランプリレース100年史」として各年代におけるF1カーが展示される。F1黎明期の名車「クーパーT51」をはじめとして、60、70年代を代表する「ブラバム」、「ロータス」のほか、アイルトン・セナに初のタイトルをもたらした「マクラーレン・ホンダMP4/4」などF1界の歴史に残るマシンを鑑賞することができる。

CooperT51(1959年)

Lotus77(1976年)

McLaren Honda MP4/4(1988年)

セクション2:勝利のためのデザイン

安全性とスピードの均衡を保とうとする国際自動車連盟(以下、FIA)のマシン開発における厳しい制限の下、いかに速いクルマがつくれるのか。そのハードルの高さが技術者たちを刺激してきた。現在、F1カーは急速に発達するコンピュータ技術とともに更なる進歩を遂げている。セクション2では、2005年のチャンピオンカーである「ルノーR25」を解体して展示することで「チャンピオンマシンの最強仕様」を分析してみせる。

Renault R25(R27 Colouring)の分解展示

セクション4:ホンダ・エンジン&ブリヂストン・タイヤ

本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏は、レーシングカーを"走る実験室"と呼んだという。事実、"ホンダイズム"を継承するF1カーでの多くの技術開発が、市販車に応用されることで自動車は進化を続けている。セクション4では、数々の熱戦に貢献してきた「ホンダ・エンジン」と、FIAから認可を受けた世界で唯一のF1公式タイヤサプライヤー・ブリヂストンのタイヤが展示される。

HONDA ENGINE RA109E。搭載車はMcLaren Honda MP4/5

「ブリヂストン・タイヤ」の展示

イベントの詳細は東京オペラシティアートギャラリー公式サイトにて。