セイコーエプソンは23日、「Offirio」(オフィリオ)シリーズの新製品として、レーザープリンタよりもローコスト、ローエナジーを実現したビジネスインクジェットプリンタ「PX-B300」「PX-B500」を発表した。両製品とも5月15日の発売を予定しており、同社としては初の本格的なビジネスインクジェットプリンタの投入となる。

「PX-B300」

「PX-B500」

今回発表されたPX-B300とPX-B500は、ユーザーが従来からインクジェットプリンタに持っていたマイナスイメージを払拭するために「37ppmの印刷速度」「大容量インクカートリッジ」「10万枚の耐久性」「最大650枚の給紙」「両面ユニットの標準装備」「顔料インクによる普通紙での高印字品質」などを実現。さらにインクジェット方式の特徴を生かすことにより、オフィスで使用されている一般的なレーザープリンタと比べて動作時の平均消費電力を10分の1に、CO2排出量を3分の1に抑えている。

PX-B500は、液晶フロントパネル(左)と両面ユニット(中央)、10/100BASE-T(右)を装備している

37ppmという高速な印刷速度を実現するために吐出能力を50%アップし、MSDTによって3~11pl(ピコリットル)のドットサイズを可能にしたノズルを採用。1インチワイドヘッドに各色360ノズルを対象に配列している。また、ノズルの目詰まりを回避するために同社のA4インクジェットプリンタとしては初めてオートノズルチェックを搭載。さらにワイパークリーナーを装備することでヘッドを確実にクリーニングすることができるという。

また、レーザープリンタと比較して遜色のない出力結果を得るため、耐水性、耐汚性、速乾性、定着性に優れる顔料系インク「つよインク200X」を採用。POPやチラシ、薬袋など多彩なメディアに対応しており、インクジェットが苦手とする普通紙でも鮮明な印刷が可能で、画質はPX-V780と同等以上だとしている。

デザインは、省スペースでの設置とメンテナンスを可能にするために、インク交換、用紙交換、パネル操作など主な作業をフロントで行えるようにしている。さらに従来、サービス交換であったメンテナンスボックスをユーザー自身で交換できるように消耗品として用意し、手早く交換が可能となっている。

インクカートリッジ(左)やメンテナンスボック(右)の交換作業はフロントから行なえる

PX-B300がPX-B500と大きく異なる部分は、液晶フロントパネル、10/100BASE-T、両面ユニットを搭載していないこととLLサイズインクカートリッジに未対応であることだ。ただし、両面ユニットはオプションで追加することができる。メーカー保証は両製品とも1年だが、PX-B300が持ち込み修理であることに対しPX-B500は出張修理サービスとなっている。なお、同社によれば出張回数に制限は設けていないという。

インクカートリッジMサイズ

価格はPX-B300が4万9,800円、PX-B500が7万9,800円。消耗品はオープンプライスで市場予想価格は、ブラックインクカートリッジの「LL」(PX-B500専用)が1万1,500円、「L」(PX-B500専用)が7,200円、「M」が6,000円(共用)。イエロー、マゼンタ、シアンの各「L」(PX-B500専用)が7,700円、各「M」(共用)が5,600円、メンテナンスボックが2,000円となっている。