出光興産は21日、人畜に無害で農薬拡散や臭気が無い微生物害虫防除剤「バイオリサ・マダラ」を発売した。同防除剤は、松の樹木の病気"松枯れ病"を蔓延させるマツノマダラカミキリを死滅することができる。価格は3万5,000円(税抜)。
今回発売された「バイオリサ・マダラ」は、マツノマダラカミキリに寄生して死滅させるカビの一種であるボーベリア・バシアーナ菌を有効成分とする微生物殺虫剤。本剤と接触し、ボーベリア・バシアーナ菌に感染したマツノマダラカミキリは、感染後2週間以内に死滅する。従来は伐倒したをシートで密封してくん蒸処理していたが、作業が大変で強い刺激臭もあったが、「バイオリサ・マダラ」はこれらの問題を解決し、観光地や住宅の近接地、ゴルフ場など人がたくさん集まる場所でも安心して使用することができるようになったという。
松林に甚大な被害をもたらす松枯れ病は、マツノザイセンチュウという線虫がマツノマダラカミキリに入り込み、これを媒体にして樹間移動することにより引き起こす病気だが、同社ではマツノマダラカミキリを防除することによって松枯れ病の被害拡大を防ぐことができるとしている。