4月8日よりチバテレビほかにて放送が開始されたTVアニメ『クリスタル ブレイズ』。その放送開始を記念するイベントが4月12日に都内にて行われた。イベントではまず、TVアニメ『クリスタル ブレイズ』の第一話を上映。その後、トークイベントのゲストとして、ヒロイン・サラを演じる小林ゆうと、月野正志プロデューサーが登場し、同番組の特徴的な制作手法やアフレコ現場などのトークが展開された。
イベントに出演した小林ゆう(写真左)と月野プロデューサー(同右) |
『クリスタル ブレイズ』の制作手法は、主役のシュウを演じる三木眞一郎と飲みながら話したことがはじまり、と語る月野プロデューサー |
まず、最初は『クリスタル ブレイズ』について。最近では珍しい原作オリジナルの作品ということについて月野プロデューサーは、「(制作会社である)スタジオ・ファンタジアでは、オリジナル作品を比較的続けてやっている流れもあり、最近も原作モノではない作品をやっていたので、調子に乗って作りました(笑)」と語り、今後の絵作りのほうにも注目してほしいと述べた。また、制作過程については、これまでの作品とはちょっと異なる"役者とのコラボレーション"を試みているとし、通常、絵は絵、声は声、音は音、といった感じで別作業で作り上げられるものを「もっと一緒にできないか」ということで、さまざまな工夫が行われていると解説。オーディションについても、「登場するキャラクターを作り上げる前にオーディションを行い、そのキャスティングに合わせてキャラクターを仕上げているので、画面に映っている絵と役者さんがダブッて見えることもある」と語った。
「オーディションを受けさせてもらったこと自体をとても幸せに思っている」と語る小林は、事前に思っていたところとまったくちがう場面、セリフでのオーディションとなったが、そのおかげで「自分の思う"サラ"を自由に演じられた」とのことだった。
最初に話をもらったときから、とにかく"サラ"を演じたいと思っていた、と語る小林ゆう |
また、実写や舞台とは異なり、アニメ作品では珍しい"本読み"という作業が行われているのも『クリスタル ブレイズ』の大きな特徴となっている。この点については、「アニメの場合は通常、絵ができたところでアフレコという作業があって、そこに役者が来る、という接点しかないが、それだとどうしても一方通行になってしまう。監督なり我々なりが作り上げる前に、役者のほうからこのキャラだったらこういったクセをつけたいとか、こんなしゃべり方をしてみたいといったところを拾ってみたかったので、"本読み"という作業を行った」(月野プロデューサー)。
"本読み"は、声優になって以来はじめての経験だったという小林は、「最初のご挨拶や相手役の方の芝居を観察して知るといったアフレコ1回目で行うような作業が、すべて"本読み"の段階で済んでしまうので、通常は非常に緊張する第1話のアフレコもとてもスムーズに進行した。また、アドリブをはじめとした挑戦的なことも、本読みの段階でいろいろと試せるのがよかったです」と語った。
「意図的にこういった手法を用いたのはおそらく『クリスタル ブレイズ』がはじめて」と語る月野プロデューサーは、「声を後で収録する"アフレコ"や絵を後で作る"プレスコ"といった手法は、結局どちらかからの一方通行。本読みをベースに絵作りをするが、そのまま作るのではなく、あくまでもイメージのみを拾う。アニメーター側も『役者がこうしたんだったら、こうしてやろう』といったノリで。すると役者側もそれをみて、さらに異なるアドリブを返してきたり……。いい意味でも悪い意味でも裏切ってくれる方が多く(笑)、アフレコ終了後もさらに細かいニュアンスを調整するといった具合で、何度もキャッチボールをしながら仕上げていった」とし、こういった手法は非常に手間はかかるが、制作側にも大きな刺激となり、やってよかったと思うと、今回の制作手法に対する手ごたえを示した。
その後は、小林ゆうによるキャラクター紹介。先に上映された第一話以降に登場するキャラクターについても、小林なりの視点で解説された。そして、今回演じた"サラ"については、「サラに出会えて幸せだと思います」と語り、「オーディションの台本を見たときから、なぜ私がこんなにサラを演じたいと思ったかは、番組を観ていただけたら、皆様にも感じていただけるのではないかと思います」と述べた。サラを演じることは、「自分にとって挑戦であり、すごく学ばせていただいています。たくさん素敵なキャラクターが登場しますが、その中でも一番魅力的だと思えるくらい、私はサラが大好きです」と、サラへの熱い想いを笑顔で語った。
最後に、第2話以降の見どころについて月野プロデューサーは、「『クリスタル ブレイズ』は全12話なので、展開的にはかなり駆け足。前半はそれぞれのキャラクターがこの世界でどのように生きているのかが語られ、そして中盤以降は事件が起こり、それが転がりはじめて、あれよあれよのうちに最終回になる。いろいろと楽しめるポイントも散りばめてあり、さらに今後リリースされるDVD版は中身がちょっと違っていたりするなど"隠し玉"も用意しているので、そのあたりも楽しみにしてほしい」と語った。
「私が言うのもおこがましいのですが、他のキャラクターの皆様は適材適所のキャスティングになっているので、キャラクターと役者さんがすごく重なると思います。"サラ"が小林ゆうでよかったと思っていただけるように演じていきたいと思います」(小林) |