リンクスインターナショナルは18日、80PLUS認証を取得したATX12V ver2.2及びEPS12V ver2.9準拠のAtntec製650W電源「EarthWatts EA-650」を発表した。19日より店頭販売を開始し、予想価格は12,800円前後。都内でAntecが開催した製品発表会では、同電源に採用された最新技術や、将来製品のスケジュールなども紹介された。
EarthWatts EA-650は、国際認証である80PLUS認証を取得済みで、電源変換効率80%以上の基準を満たす環境に配慮した電源ユニット。RoHS指令にも対応している。同社EarthWattsシリーズの追加製品で、容量は同シリーズ最大の650W。専用出力による3系統の+12V系を備えており、均一な電源出力によるシステムの安定動作を実現している。
安全性実現のためOPP(過負荷保護)、OVP(過電圧保護)、SCP(短絡保護)、UVP(電圧不足保護)といった各種保護回路を搭載。アクティブPFC、ユニバーサル入力に対応。冷却ファンは12センチファン×1。電源コネクタはメイン24ピン×1、CPU補助4ピン×1、CPU補助8ピン×1、6+2ピンPCI-E×1、6ピンPCI-E×1、SATA×6、ペリフェラル×6、FDD×1。本体サイズは150(W)×152(D)×86(H)mmで、重量は2.5kg。ほか製品には3年間の「Antec Quality」製品保証が付属する。
Antec副社長が最新情報を紹介
製品発表会では、Antecのシニア・バイス・プレジデントであるスコット・リチャーズ氏が「日本において、2008年をAntec電源の年にしたい」という意気込みを語った。同氏によれば、日本のDIY市場で"Antec"というと、P180などのヒットもあり"PCケース"というイメージが強いが、現在米国でのPCケースと電源のシェアはともに同社がトップであることからもわかるように、電源の評価が高いメーカーでもある。同氏は「PCケースはもちろん、今年は電源でも革新的な製品を提供していく」と語っている。
その電源について、今回発表となったEarthWatts EA-650で採用されている技術を含む同社最新の電源技術について、R&Dディレクターのジョブ・チェン氏から解説が行われた。まず同氏は、「よい電源の定義とは?」というテーマについて同社の考え方を説明する。その"よい電源"の定義とは、
(1)十分な電力を供給すること
(2)静音であること
(3)高効率で省エネであること
(4)電圧が安定していること
(5)相性問題がないこと
(6)寿命が長いこと
(7)業界をリードする電源技術を開発すること
なのだという。
(1)については一般的な電源が25℃の温度環境を基準に正常動作のテストを行っているところ、同社基準ではこれが40℃または50℃となっている。(2)/(3)については温度センサーコントロール、大型ヒートシンク、高品質/効率コンポーネント、エアフローの向上が要点。(4)については5V、3.3VにDC/DC(VRM)モジュールを採用することによる優れた独立制御など。(5)については同社がこれまで培ってきた高レベルな検証基準をアピール。(6)については生産ラインの安定や日本製コンデンサなど高品質な部材の採用。(7)についてはPC電源で初というPWM制御ファンなどが紹介されている。
そして、それらの項目を満たした同社プレミアムハイエンドの電源製品として、5月中に発売を予定しているという新電源「Signature」シリーズも紹介された。Signatureはサーバーグレードでの使用にも耐えうるという同社最上位クラスのATX12V/EPS12V電源で、80PLUS Bronze認証を取得しており、ラインナップは容量650Wの「Signature SG-650」と同850Wの「Signature SG-850」が予定されている。予価はSG-650は29,800円、SG-850が35,800円とのこと。
スコット・リチャーズ氏によれば、このSignatureシリーズの搭載技術は今後のメインストリームクラスの製品へも積極的に投入していくつもりなのだという。また、現在予定されているSignatureシリーズでは80PLUS Bronze認証までを取得しているが、将来の製品ではさらに効率を高め、80PLUS Silverや同Goldの認証にも対応していきたいと述べられている。