ディー・エヌ・エー(DeNA)ら7社は16日、DeNAが運営する携帯ゲーム・SNSサイト「モバゲータウン」にて、ゲーム内アイテム課金制度などを採用したゲームの配信を開始すると発表した。

4月末よりモバゲー専用のゲーム通貨「モバコイン」を導入し、順次配信する新作ゲーム内でアイテムなどの販売を開始する。モバコインによるアイテム課金の導入により、ゲームを起点とした新たな収益モデルを展開していくとしている。ゲームの企画・開発は、ORSO、スクウェア・エニックス、タイトー、ハドソン、ハムスター、ワークジャムが行い、配信システムはDeNAが開発する。モバコインの販売に使用されることにより発生した収益は、各社とDeNAで分配する。

写真右から、ハムスター代表取締役の濱田倫氏、ORSO代表取締役社長の坂本義親氏、ディー・エヌ・エー代表取締役社長の南場智子氏、スクウェア・エニックス代表取締役社長・タイトー代表取締役社長の和田洋一氏、ハドソンGE事業部 事業推進グループ マネージャーの杉山楠知氏

配信されるゲームの基本使用料は無料だが、それぞれのゲーム内で販売されるアイテム(武器や道具など)を購入するのに、モバコインが必要となる(一部ゲームを除く)。モバコインは、対応ゲームの配信開始とともに販売を開始し、電子マネー、クレジットカードなど各種決済手段を利用して購入できる(購入後のモバコインを電子マネー等に戻すことはできない)。

配信されるゲームタイトルは、モバゲータウン向けに新しく開発された本格的なロールプレイングゲーム(RPG)やシミュレーションゲーム、家庭用ゲーム機などでの人気作をモバゲータウン仕様にカスタマイズしたものなどが用意される。

現在用意されているタイトルは、主人公視点で進行し、要所でのコマンドを選択するタイプのアドベンチャーゲーム「theresia -テレジア-」(ワークジャム)、「夢」をテーマに、笑いあり、涙ありのコメディータッチで描く長編RPG「ロードクエスト」(タイトー)、携帯ゲームや、ニンテンドーDS等で実績のある対戦カードゲーム「エレメンタルモンスター モバゲーエディション」(ハドソン)、簡単な操作性で、本物の釣りのファイト感が楽しめる「釣りゲータウン」(ORSO)、メールでプレイヤーの行動を選択して物語を進めていくスタイルのオンラインRPG「ELLARK(エルアーク)」(スクウェア・エニックス)、家庭用ゲーム機などで大ヒットした「ザ・コンビニ」シリーズのネットワーク対戦ゲーム「ザ・コンビニ ネットバトル(仮)」(ハムスター)の6作品。

ディー・エヌ・エー 代表取締役社長 南場智子氏

同日報道関係者向けに「ゲームポータル」についての記者発表会が開催され、ディー・エヌ・エー代表取締役社長の南場智子氏らが出席した。

南場氏は、モバゲータウンの1日の最大ページビューが6億を超える点や、2006年11月のユーザー比率は10代が69%、20代が25%、30代が6%であったのに対し、会員数1,000万人を達成した2008年4月には10代と20代が40%、30代以上が20%に変化していることを説明。「モバゲーは現在、百数十種類のカジュアルゲームを提供しています。今回、有名タイトルを多数揃えているゲーム会社と協業し、モバゲーでも本格的なゲームを展開して幅広い層に楽しんで頂きたい」と語り、本格的なゲームを配信することで、コアなゲームユーザー層の拡大を目指すという。

年度別の会員数と月間ページビュー数

会員の年齢分布と全人口のモバゲー率

モバゲータウンのサービス概要

ゲームポータルのビジネスモデル

以前より提供していたオンラインRPG「Master of Fantasia」などモバゴールドが必要となるゲームで、ユーザーの十数%がモバゴールドを使用してアイテムを購入していた実績から、「十分いける」と感触があったと説明。また、モバコインの利用限度額は月額5万円を予定している。