日本HPの「HP Pavilion Notebook PC dv6700/CT」

「HP Pavilion Notebook PC dv6700/CT(以下、dv6700/CT)」は、15.4インチワイド液晶を搭載したメインストリーム向けのノートパソコンだ。BTOに対応し、Celeron 540からCore 2 Duo T9300まで、幅広い選択肢が用意されている。そのためスタンダードな用途から、エンターテインメントまで、広いニーズに応えることのできるのだ。

高級感を醸し出す美しい天板

dv6700/CTの最も大きな特徴は、本体筐体に見られるデザインへのこだわりにある。日本の禅をテーマに、池に生じる水面の波紋をモチーフにした「shizuku」 (雫)、寺の石庭の砂紋をモチーフにした「samon」(砂紋)、雪が降り積もる様をモチーフとした「sekkei」(雪景)、そして大地から草木が一斉に芽吹く様をモチーフにした「mebae」(芽生え)の4種類のデザインが用意されており、dv6700/CTではそのうち、sizukuとmebaeの2種類から選択できる。

「shizuku」デザインの天板

「mebae」デザインの天板

今回試用したのはshizukuモデルで、天板の全面とパームレスト部分にプリントが施されていた。普段作業しているときは気にならず、ふと手をとめると模様が目にはいっていくるという趣きは、無機質なノートが多い中、視覚的に楽しめる珍しい特徴を持つ。プリントはボディ素材の内部に転写されているため、傷に強く、いつまでも光沢感を保てるのもうれしいところだ。

液晶パネルは、1280×800ドット(WXGA)の標準的な解像度に対応した15.4型ワイドウルトラクリアビューカラー液晶を搭載。グレア処理の施された光沢パネルを採用しており、発色は鮮やかだ。上下方向への視野角はやや狭いが、輝度は十分高く、写真から動画の再生まで高品質に楽しめる。

電源ボタン、電源コネクタ、タッチ式コントロールボタンをはじめ各所にBlue LEDを採用している

無線LANのオンオフを切り替えるスイッチをキーボード前面に用意

キーボードはキーピッチ19mm、キーストローク2.5mmの標準タイプが用意される。ただし同社のキーボードは、Enterキーのさらに右側に「Home」や「PgUp」、「PgDn」キーがある特殊なレイアウトなので、慣れが必要。ほかのキーボードから乗り換えて利用する人には使いづらいと感じるかもしれない。

使いやすい大型のタッチバッド。上部分にはタッチパッドのオンオフをワンタッチで切り替えることができるスイッチがある

もっとも、パームレスト部分が広く、タッチパッドも大型なので、キー入力時の安定感は抜群だ。タッチパッドの感触は金属質で滑らかという、とても新鮮なもの。また使っていて便利だったのがタッチパッドをオンオフできるスイッチボタンの存在だ。ノートにマウスをつなぐときに、タッチパッドに触れると誤操作になりやすいが、スイッチをオフにすることで快適さがアップする。

キーボード上には、DVDの再生や音量調整などを行えるタッチ式のコントロールボタンがある。小さくて押しづらそうに見えるが、指でなぞるだけで操作できるのが楽だ。ちなみにDVDなどの操作は付属のHPモバイルリモートコントローラも利用できる。

QuickPlayを操作してDVDや音楽を楽しめるリモコンが付属。使わないときはExpressCardスロットに差し込んで収納できる」

DVDや音楽再生、インターネットTVの視聴などが行える統合プレーヤー「QuickPlay」が付属し、キーボード上にあるタッチボタンから呼び出せる

BTOでハイスペックにも対応

BTOに対応しているのもdv6700/CTの特徴の1つ。今回のモデルでは、Celeron 540(1.86GHz)、Core 2 Duo T7250(2.0GHz)、Core 2 Duo T7500(2.2GHz)に加え、45nmテクノロジに対応したCore 2 Duo T9300(2.5GHz)が選択できるようになり、ハイスペックのニーズにもしっかり応えている。

右側面と左側面に合わせて3つのUSBポートを装備。5つのメディアに対応した5in1メディアスロットのほか、IEEE1394端子を左側面に配置。Sビデオ出力コネクタも備えている。なお「拡張ポート(Expansion Port 3)」は現在使用されていない

グラフィックス機能は、Intel PM965 Express チップセット(標準)と、NVIDIA GeForce 8400M GSがセットになったIntel GM965 Expressチップセットの2種類から選択可能。後者を選んだ場合は、光学ドライブにBD-ROMドライブまたはHD DVD-ROMドライブが選択できるようになっている(標準搭載はスーパーマルチドライブ)。ディスプレイの解像度は1280×800だが、HDMI端子を利用してHD対応テレビにつなげれば、フルHD再生も楽しめるというわけだ。

なお選択したCPUにより、ネットワーク機能も異なる点は注意しよう。Core 2 Duoを選択した場合はIEEE 802.11a/b/g/n準拠のインテル製無線LAN、Celeronを選択した場合はIEEE 802.11b/g準拠のBroadcom製無線LANが搭載される。

さて、今回試用したモデルにはCeleron 540が搭載されていたこともあり、ベンチマークの結果は低めだ。ゲームなどには向かず、またソフトの起動などももたついて感じたが、サイトの閲覧やWeb動画の再生などは快適だった。なおFFベンチによるバッテリの持続時間のテストは1時間23分と短く、据え置きで利用するのが基本である。

入門向けのバランスのよいノートを探しているなら、dv6700/CTはおあつらえ向きだ。79800円という手頃な価格で購入できる上、CPUの選択肢が広く、さまざまな用途に合いそうだ。

ベンチマーク

フルパワーモードにてFFBenchをローモードでループさせたバッテリ持続時間(9セルバッテリ使用) 1時間23分

スペック(テスト機)

CPU Celeron 540
チップセット Intel PM965 Express
メモリ 1GB(最大2GB)
グラフィックスチップ チップセット内蔵
ディスプレイ 15.4型ワイドTFTカラー液晶(1,280×800ドット)
HDD 120GB HDD (SATA、5400rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(着脱式)
有線LAN 内蔵(10BASE-T/100BASE-TX)
無線LAN 内蔵(IEEE802.11b/g)
Bluetooth なし
モデム 内蔵(56kbps)
Webカメラ なし
その他の主な機能 特になし
メディアカードスロット 内蔵(SD/MMC/MS/xD対応)
拡張カードスロット ExpressCard/54スロット
インタフェース 外部ディスプレイ(D-Sub15ピン、Sビデオ出力)、USB2.0×3、ヘッドホン出力、マイク入力、IEEE1394(4ピン)
本体サイズ 357(W)×257(D)×41(H)mm
本体重量 約2.86kg(バッテリーパック装着時)
バッテリ駆動時間(公称) 約3.5時間(付属バッテリーパック時)
OS Windows Vista Home Basic
HP Directplus価格 7万9,800円