NECは15日、デジタルコンテンツを一元管理し、屋内屋外問わずに専用端末から遠隔利用できるホームサーバ・ソリューションLuiの製品第1弾を24日から発売すると発表した。

今回登場した「Lui」の新商品第1弾

NECパーソナルプロダクツ 代表取締役社長 高須英世氏と、応援に駆けつけたイメージキャラクターの玉木宏さん

新製品はホームサーバPC「Lui SX」(SX500/1G、SX700/1G)、ポケットタイプPCリモーター「Lui RP」(RP500/1C)、ノートタイプPCリモーター「Lui RN」(RN700/1C)、デスクトップPC「VALUESTAR R Luiモデル」(VR970/MGとVR500/MG)の計5モデル。価格はオープンプライスだが、直販サイトNEC Direct価格は、SX500/1Gが32万9,910円、SX700/1Gが37万9,890円。RP500/1Cが4万9,980円、RN700/1Cが8万9,880円。VALUESTAR R Luiモデルが21万3,528円(最小構成モデル)からとなっている。

Luiの概要を説明するNECパーソナルプロダクツ 代表取締役社長 高須英世氏

発表会では、まずNECパーソナルプロダクツ 代表取締役社長の高須英世氏が新商品の概要を説明。1990年代にマルチメディア対応PC「CanBe」、電子メール端末「MobileGear」、2000年代にはBSデジタル対応PC「VALUSTAR T」、スタイリッシュコンパクトPC「VALUESTAR N」などを発売し、NECが常に新しいパソコンの利用シーンを提供してきたことを解説。その上で、2007年12月に、ユビキタス時代に向けPCによる新たなデジタルライフを提案するLuiを発表したと述べた。Luiにより、写真、ビデオ、音楽などのコンテンツやデータをホームサーバPCで管理し、ホームネットワークやインターネット経由で既存のDLNA対応テレビやPCでコンテンツを楽しむコンテンツオンデマンド、PCリモーターを使い、自宅のホームサーバPCをどこからでも利用できるPCオンデマンドを実現している。

Luiの商品化については、非常に高い期待があることを説明。Luiのデモを展示したiEXPO2007の会場で来場者にアンケートを行った結果、コンテンツオンデマンドについて大変魅力的が63%、やや魅力的が30%、PCオンデマンドについては大変魅力的が55%、やや魅力的が37%と、9割以上が興味を示したことを公開。また、パートナー企業も「Luiワールド」拡大に向けた期待と賛同が得られたとした。

商品を説明するNECパーソナルプロダクツ ユビキタス事業開発本部長 栗山浩一氏

続いて、NECパーソナルプロダクツ ユビキタス事業開発本部長 栗山浩一氏が新製品を紹介。コンテンツオンデマンドについては、ホームネットワークに接続したPCやDLNA対応デジタル家電でコンテンツの利用が可能。独自のマルチレコードキャストテクノロジにより、デジタルハイビジョン放送の2番組同時録画、2番組同時配信ができる。PCオンデマンドでは、専用端末PCリモーターからホームネットワークやインターネット経由でホームサーバPCの遠隔利用が可能。独自技術の画像圧縮専用LSI「リモートスクリーンエンジン」と独自VPN「セーフコネクト」で、安全な遠隔利用を実現している。

従来のホームサーバでは、番組録画中やネットワークを使って動画配信中にPCの性能が落ちることが多かった。ホームサーバPC「Lui SX」では、PC部とHDDレコーダー部を分けることで番組録画中や配信中でも快適にPCが利用できる。また、リビングPCとしての機能も充実させ、HDMI端子を使った大画面テレビへの出力を可能とし、上位モデルSX700/1GにはBlu-ray Discドライブを搭載している。

PDリモーターはバッテリー駆動時間を重視。Lui RPは質量が約249g、厚さが約22mmと小型軽量サイズでありながら、無線LANでリモート接続時にバッテリー駆動時間が最大約5.4時間を実現。Lui RNは質量約649g、薄さ約15.8mm(最薄部)、面耐圧が約190kgfと薄型軽量で堅牢ボディを持ち、無線LANでリモート接続時にバッテリー駆動時間が最大約4.6時間を実現している。Lui RNのバッテリーは着脱式で別売りの長時間タイプを利用すると質量は約800gまで増えるが、駆動時間は約14時間となる。VALUESTAR R Luiモデルは、PCリモーターサーバボードを内蔵。別売りのPCリモーターを用意すれば遠隔操作でマシンが使えるようになる。

パートナー企業各社から参考出展されたLui関連製品

発売に先駆けNECでは、4月16日から17日(11時~20時)までJR東京駅1階(改札内)のメディアコート“Break"で、Luiのタッチ & トライイベントを開催。ホームサーバPC、VALUESTAR R、PDリモーターなどを展示するほか、アンケートに答えると携帯ゲーム機や旅行券が抽選で当たるコーナーも用意する。

このほか、パートナー企業との連携を紹介。現在22社が賛同し、各社からLui対応製品が登場する。たとえばLui SX向けには、アイ・オー・データ機器がビデオや音楽などのデータを保存できる外部ファイル装置、ロジテックは外出先から自宅の様子を確認できるネットワークカメラ、バッファローがDLNA非対応テレビでもHDMI端子さえあればコンテンツが楽しめるようになるネットワークメディアプレイヤーを発売予定。

PCリモーターサーバボード。これをPCに接続してディスプレイドライバーなどのチューニングを行うことでLuiのPCオンデマンド機能が実現できる

PCリモーター向けには、ロジテックが有線LANしかない環境でも無線LANが利用できるようなるモバイル無線LANルーターを、ミヤビックスが持ち運び時の利便性が向上するケースを、エレコムがポケットタイプでも快適に文字入力できるコンパクトキーボードを発売する予定だ。このほかPCオンデマンドを実現するPCを、KOUZIROとマウスコンピューターが開発中であることも明らかにした。このマシンにはNECが提供するPCリモーターサーバボードを内蔵する。パートナー企業の各機器は、発表会会場で参考出展されていた。

KOUZIROが開発中のPCリモーターサーバボード内蔵マシン。価格、発売日とも未定

マウスコンピューターが開発中のPCリモーターサーバボード内蔵マシン。こちらも価格、発売日とも未定。手前にあるのがノートタイプのPCリモーター