「Aspire AS5920G-932G25」は店頭価格が15万円程度ながら、高級AVノートクラスの機能を搭載した15.4型ワイド液晶ノートPCだ。機能だけではなく、ルックスの美しさも特徴となっている。
充実したAV機能
映像面で重要な液晶には、ノートPCで最速クラスとなる8msの応答速度を持ったパネルを採用。さらに、サウンド面では高品質スピーカーに加え、音にサラウンド効果を与える「ドルビーホームシアター」を搭載している。これは5つのドルビーテクノロジー、「ドルビーデジタル」、「ドルビーバーチャルスピーカー」、「ドルビープロロジックII」、「ドルビーデジタルライブ」、「ドルビーヘッドフォン」で構成されているシステム。映画・音楽ライブのDVDやゲームなどを、内蔵のスピーカーやヘッドフォンで迫力と臨場感のあるサラウンドサウンドで楽しめる。またS/PDIF出力端子とデジタルアンプをつなげば、迫力の5.1chサラウンド効果を味わうことも可能だ。実際に聞いてみると、とてもノートPCとは思えないサウンドが体験できた。これらによって40万円もするような高級AVノートに匹敵するAV視聴環境をもたらしてくれる。
左側面の端子群。左が「HDMI端子」だ。中央の黄色い端子はS映像端子 |
ドルビーホームシアター機能のドルビーバーチャルスピーカーテクノロジーによって、本体内蔵のたった2台のスピーカーと底面のサブウーファーで 5.1チャネルサラウンドサウンドを実現する |
さらに、HDMI端子を搭載しているため、ケーブル一本でDVDやゲームといったコンテンツを大画面テレビに出力することができる。このHDMI端子は入力にも対応しており、ハイビジョンデジタルカメラからの映像を手軽にPCに取り込むことが可能だ。
CPUとグラフィックスともに高いレベル
CPUはノート用としてハイエンドクラスのCore 2 Duo T9300で、グラフィックスチップはGeForce 8600M GSを採用している。このため、動画やゲームといった用途でも十分に活躍してくれるはず。実際、3DMarkの総合スコアは2452で、CPUスコアは2288を記録した。3DMarkの描画シーンでは、ノートPCとしては最速クラスを誇る応答速度8msの液晶パネルの実力がいかんなく発揮されていた。所々で一瞬だけちらつきが見られたが、これが実際のゲーム画面だとしても問題ないレベルで動いていた。
バッテリはホームモバイルレベル
内蔵バッテリーのスタミナを調べるためにFFBenchを使った。内蔵バッテリーを満充電しACアダプタをはずした状態で稼働。省電力の機能は一切使用せず、モニタの輝度を最大にした。FFBenchの設定は、デモンストレーションモードで、解像度はローを選択。ループをオンにして持続時間を計測した。丁度100分でバッテリーがほぼ空になり、サスペンドモードになって画面が消えた。
他の15.4型ワイドノートPCに比べて長持ちなのは、本機がシステムアクティビティを管理する内蔵パワーマネージメントユニットを装備しているおかげかもしれない。キーボード、マウス、ハードディスクやビデオメモリといったデバイスが特定の時間動作しないでいると、電源を節約するためにこれらのデバイスの使用を停止するようになっている。
使って気付いた点
コストパフォーマンスが高く質感も良いモデルなのだが、使っていてやや残念な点も見受けられた。キーボードの左側に「簡単起動ボタン」が縦に並んでいる。このボタンたちは「無線LAN オン/オフ」「IE7起動」「Windowsメール起動」「Bluetooth オン/オフ」ができ、一部はユーザが設定可能な便利機能だ。しかし位置が悪い。モニタを閉じずに持ち上げたり、ちょっと傾けたりするときに本機を左手で掴むと、ちょうど一番上の「無線LAN オン/オフ」を押してしまうのだ。
次にやや使いにくい点。タッチパッドのボタンが硬い。ボタンのストロークが浅いせいで、押し続けなければいけないドラッグ操作のときは親指がつらくなる。また、ボタンが3つあり中央は4方向(上下左右)スクロールボタンなのだが、ボタンをスクロールしたい方向にクリックしたまま押し続けると、マウスのスクロールホイールと同じ機能を果たす。だが、カチカチと押して1行ずつスクロールするときは反応が良いが、ずっと押し続けてスクロールしようとしても硬いせいか、反応しないことがある。
最後に良い点を挙げていこう。キーボードの周りにたくさん配置されているLEDが鮮やかに光る。室内照明を暗くしてDVDを鑑賞したりゲームをするとムード満点。
キーボードの右下に「ユーロ」記号キーがある。ヨーロッパ関連の仕事や勉強をしている人には便利だ。
キーボード右上隅にある「e」キーも便利だ。これは「IE」起動キーではなく、「Empowering Technologyツールバー」起動キー。Empowering Technologyツールバーは画面の右上隅に表示され、いくつかのユーティリティを簡単に起動するためのものだ。例えば「Acer ePower Management」で電源プランをカスタマイズして電源の寿命を延長したり、「Acer eAudio Management」でDolbyホームシアターのサウンド効果を操作する。他にもプロジェクタに接続するときの表示設定を調整したり、外部ストレージメディアをロック/解除したり、バックアップと復元を行ったり、ハードウェアの仕様を調べたり、BIOSパスワードを設定したり、ブートオプションを変更したりできる。
キーボード右上隅にある「e」キーでEmpowering Technologyツールバーを起動する |
右上に表示されるEmpowering Technologyツールバーから、さらいくつかのユーティリティを起動する |
ベンチマーク
3DMark06(800×600ドット) | CPU Score | 2288 |
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3DMark | 2452 | |
フルパワーモードにてFFBenchをローモードでループさせたバッテリ持続時間(9セルバッテリ使用) | 約1時間40分 |
スペック
CPU | Core 2 Duo T9300 |
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チップセット | Intel PM965 Express |
メモリ | 2GB(最大4GB) |
グラフィックスチップ | NVIDIA GeForce 8600M GS |
ディスプレイ | 15.4インチワイド カラー液晶ディスプレイ(1280×800ドット) |
HDD | 250GB HDD (SATA、5400rpm) |
光学ドライブ | BD-REドライブ |
有線LAN | 内蔵(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T) |
無線LAN | 内蔵(IEEEE802.11a/b/g) |
Bluetooth | 内蔵 |
モデム | 内蔵(56kbps |
Webカメラ | 内蔵(有効画素数30万画素) |
その他の主な機能 | 特になし |
メディアカードスロット | 内蔵(SD/MS/MMC/xD対応) |
拡張カードスロット | ExpressCard/54スロット |
インタフェース | 外部ディスプレイ(D-Sub15ピン、Sビデオ、HDMI)、USB2.0×4、ヘッドホン出力、マイク入力、IEEE1394(4ピン) |
本体サイズ | 364(W)×270.2(D)×30.8~43.7(H)mm |
本体重量 | 約3.0kg |
バッテリ駆動時間(公称) | 約2.5時間 |
OS | Windows Vista Home Premium |
店頭価格 | 15万9,800円 |