東芝ライテックは14日、2010年をめどに一般家庭用の白熱電球の製造から撤退することを発表した。現在、白熱電球を製造している生産ラインもすべて廃止される。

白熱電球から電球型蛍光灯やLED照明に置き換えることで、CO2排出量が削減されることはよく知られている。同社では、今回の決定について、地球温暖化を防止するための選択だとしている。現在、同社では年間4,000万個(2006年実績)の白熱電球を製造しており、これをすべて電球型蛍光灯やLED照明に置き換えると、年間約50万tのCO2が削減されると推測している。

製造が中止されるのは、「ホワイトランプ(100V/110V)」「長寿命ホワイトランプ」「セミホワイトランプ」「ウスシリカランプ」「ホワイトボール(G50除く)」といった、ボール電球を含む一般白熱電球E26口金の81機種。レフ型のランプやミニクリプトン球など、現在のところ電球型蛍光灯に置き換えられないものに関しては、製造を継続する。ただし、これらに関しても、置き換えが可能な電球型蛍光灯、あるいはLED照明の開発を進めているとのことだ。また、調光器などが使われている環境では、電球型蛍光灯は使用できないため、そういったユーザーのために、しばらくは少量の販売を継続する予定だ。

2008年度の始めから、甘利明経済産業大臣や経済産業省が電気器具メーカーに対し、2012年までに白熱電球の製造を原則中止するよう要請する方針を示したという報道が行われていた。同社はそうした説よりも2年前倒しすることになる。同社は120年前に日本で初めて白熱電球を製造したメーカーとして知られているが、その同社が日本で初めてCO2の削減のために白熱電球の製造から撤退することになるわけだ。発祥事業のひとつではあるものの、製品が排出するCO2の削減はグループを上げての方針であり、社内でも表立って白熱電球の撤退を残念がる声は聞かれないとのこと。