ファイザーはこのほど、潜在的うつ病に関して実態調査をし、その結果を発表した。調査対象は12歳以上の一般生活者4,000人とし、インターネット上にて調査を行った。
調査の結果、明らかになったのは全体の12%、つまり約8人に1人がうつ病・うつ状態の可能性があることだ。今やうつ病は誰にでも起こりえる疾患と言えるだろう。
調査に用いた「うつ質問票」で、うつ病・うつ状態に該当した486人に対し「医療機関を受診したことがありますか」と質問したところ「受診したことがある」と答えたのは24%にとどまった。こうした結果から、うつ病・うつ状態であっても実際に医療機関を受診する人は少ないことがわかる。
さらに、うつ病・うつ状態に該当するのに医療機関を受診していない254人に「医療機関を受診していない理由」を尋ねると、「行く必要を感じない」が44%と最上位で、以下「医療機関への不信感があるから」(20%)、「周囲に知られたくないため」(15%)と続く。さらにうつ病・うつ状態に該当した486人に対して「医療機関への受診について、誰かに相談しましたか」と尋ねたところ、「自分で判断」との答えが91%に上った。
実際の受診の割合をみると、家族や友人、その他に相談した人は83%が医療機関を受診しているのに対し、「自分で判断」した人は、15%しか受診していない。こうした結果を受けて、鳥取大学医学部 統合内科医学講座 精神行動医学分野教授の中込和幸氏は「結果からうつ病に対しての理解や危機意識がまだまだ低く、治療に対する誤解も多い実情が明らかになった。また、周囲の助言が医療機関での早期発見・早期治療を後押しすることも見て取れ、誰かに相談することの重要性が如実に現れている。自己判断をせず、まずは家族など身近な人に相談を」とコメントしている。