三洋電機は新開発のX-Y型ステレオマイクを搭載するなど、音楽録音用途も重視したリニアPCMレコーダ「ICR-PS1000M」を4月下旬より発売する。価格はオープンで、予想実売価格は35,000円前後。
同製品は三洋電機のICレコーダ「DIPLY TALK」シリーズのフラッグシップモデルとして位置付けられた製品。DIPLY TALKシリーズはコンパクトな本体でMP3録音に加え、WAVフォーマットのリニアPCM録音にも対応する製品が既に発売されているが、ICR-PS1000Mは音楽録音用途も重視し、さらに高音質を追求した製品となっている。
本体上部に内蔵されたX-Y型ステレオマイクはマイクメーカーとの共同開発が行われ、素材選定や取り付け位置の最適化を行った。その結果、音の奥行きや定位感に優れた、自然なステレオ録音が可能だという。
録音フォーマットは最大16bit/48kHzのWAV(リニアPCM)と320kbps/44.1kHz のMP3をサポート。
内蔵マイクでの録音入力レベルを周波数帯域ごとに調整できる5バンドの録音イコライザ、低周波数成分を自動で低減できるプログラマブルADCハイパスフィルタ(ローカットフィルタ)、過大入力を自動調整しクリッピングを防ぐピークリミッタなどを搭載。
また本製品はヤマハとのコラボレーションにより製作されており、製品のサウンドチューニングや録音イコライザプリセットの作成に、ヤマハの技術が活用されているという。
電源は単三乾電池1本で動作し、製品には同社の充電池「eneloop」が同梱される。また新開発の高音質&省電力LSI「DIPLY ENGINE II」を搭載。単三アルカリ乾電池使用時には、MP3録音で世界最長となる約50時間駆動、WAV録音時にも約22時間30分の長時間駆動を実現している。DIPLY ENGINE IIでは再生速度コントロール機能も実現しており、MP3再生では21段階(50~200%)、WMA再生では13段階(50~120%)の速度変更が可能となっている。なお、PCM再生時は速度変更はできない。
記録メディアとしてはmicroSDカードスロットを搭載、microSDおよび、大容量のmicroSDHCカードを使用できる。内蔵メモリは搭載されず、また製品にはmicroSDカードは付属しない。
また本体には指紋認証&タッチコントロールセンサを搭載。指紋認証を活かして第三者による本体操作の制限やパソコンからの閲覧防止といったセキュリティ機能、そして録音レベル調整といった操作をこのタッチコントロールセンサで行うことが可能となっている。そのほか、カメラのセルフタイマーのように自分の演奏を録音できる「セルフタイマー録音機能」や、音声を感知して自動録音および一時停止を行う「VAS(音声起動録音)機能」などが搭載される。
ICR-PS1000M(左)に加え、普及価格帯機種ながらもリニアPCM録音に対応したICR-PS182RM(右、内蔵メモリ1GBモデル)/ICR-PS185RM(内蔵メモリ2GBモデル)も同時発表された |
本体背面には三脚穴を搭載し、アダプタなどは不要で市販のカメラ用三脚に固定しての録音作業が可能。また製品には屋外録音時の風切音を低減できるウィンドスクリーンが付属する。
ICR-PS1000Mのサイズは46.5×129.5×17.5mm、重量は約92g(電池含む)。