マウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE M720WEV2」は、最新GPUや高性能なCPUを搭載したパワフルなゲーミングノート。デスクトップマシンにも勝るとも劣らないその実力と使い心地について検証してみた。
ここ2~3年でノートパソコンの商品ジャンルは細分化され、ビジネス用やビデオ編集用などさまざまなタイプに特化した製品が登場している。ゲーム用ノートもそのひとつで、高性能CPUやGPU、大容量メモリーを搭載しているのが特徴だ。3Dゲームを快適に遊べるスペックと省スペース性を求めるユーザーに人気で、BTOメーカーを中心に数多くの製品が発売されている。マウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE M720WEV2」も、そんなゲーム特化型ノートパソコンのひとつ。ハイスペックなパーツを詰め込み、最新ゲームを始めとしたあらゆるシーンで十分な性能を誇る上位クラスのノートに仕上がっている。値段も同社のオンラインショップで28万4970円と売れ筋ノートよりも高めだが、コストパフォーマンスは決して悪くはない。
まずは、「NEXTGEAR-NOTE M720WEV2」のキモである、スペック部分を見てみよう。CPUはCore2Duo T9300(2.50GHz)を搭載。チップセットはIntelのPM965 Express、メモリは2GB PC2-5300(1024MBx2)だ。個々のパーツは最新&最強のパーツではないものの、コストパフォーマンスに優れたパーツをチョイスしているのがわかる。ちなみに、ベンチマークソフト「3DMark06」で計測してみたところ、CPUのスコアは2287と比較的高めのスコアが出た。
GPUはNVIDIAのGeForce 8800M GTX/GDDR3 512MBを搭載。2007年11月に発表されたGPUであるものの、現行ラインナップではノート用GPUの最上位モデルだ。DirectX10にも対応しているため、最新の3Dゲームでもストレスなくプレーできる。「3DMark06」の"3DMark06 Score"(総合評価点)は9103 3DMarks。試しに海外製のFPS『Crysis』(発売:エレクトロニック・アーツ)をプレーしてみたところ、スムーズに動作するのはもちろん、ノートパソコンとは思えないほど美しく鮮明な画面でプレイできた。
ディスプレイには、17型ワイドの光沢液晶を採用。1920x1200ドットのWUXGAに対応しているので、かなり大きな画面で作業できるのがうれしい。またGPUが「PureVideo HD」と呼ばれるビデオ再生支援機能を搭載しているので、フルHDの動画でもコマ落ちすることなく再生可能。光学ドライブはDVDスーパーマルチのため、外付けのBlu-RayドライブでHDコンテンツを楽しみたいところだ。
ハードディスクはSerialATAの160GBを採用。回転数は5400rpmと高性能ではないが、HDDのキャッシュ代わりに使える1GBのインテル・ターボ・メモリー1GBを搭載している。これにより低い回転数によるアクセス速度の遅さをカバーできるため、アプリケーションの起動や大容量ファイルのコピーもストレスなく行なえた。また、無線LANはIEEE802.11a/g/nに対応。オンラインゲームでは通信速度がレスポンスを左右することもあるので、ワイヤレスでも高速な11nを利用できる点は大きい。そのほか、IEEE1394やサラウンドスピーカーを内蔵するなど、AV機能も充実している。
HDDやメモリーの換装は、本体裏面の大きなパネルを取り外して行なう。取り外しは少々面倒だ |
本体右側面には、EXpressカードスロット、カードリーダー、USB端子×2、IEEE1394端子、LAN端子を搭載 |
快適なゲームプレイには、操作性の良いデバイスも重要。ということで、本機にはゲーム用に特化したマウスとマウスパッドが付属している。マウスはロジクール製の「G5 Laser Mouse Special Edition」で、ウェイトカートリッジで重さを調整できるのが特徴だ。ゲーマー向けマウスパッド「steelpad Qck mini」は、底面にラバー加工をする事によりマウスパッド自体が滑ってしまうのを防止している。さらにテンキーも搭載してるため、キーを多く使うゲームでもキー登録すればストレスなくプレイできるだろう。キーピッチは大きめで、フルサイズのキーボードと同レベルの扱いやすさといえる。
唯一の欠点とも言えるのが、本体の大きさと重量。特に重量はかなり重く、4.1kgと気軽に持ち運べる重さではない。専用のカバンも付属するが、実際に持ってみると持ち運びはかなりつらかった。とはいえ高いスペックと17型ワイドの液晶ディスプレイを採用していることを考えるとやむをえないことなので、据え置き型のノートとして使うのが理想的だ。
最後に、バッテリー駆動時間をチェックした。カタログでは、最大駆動時間は約2時間となっている。そこで、本体ディスプレイの輝度を最大にし、各省電力機能をオフにした状態で「FINAL FANTASY XI Official BenchMark」をLowモードのデモモードでループさせてみると、自動的にスタンバイに入るまでの時間は約1時間40分だった。
総合的に見ると、ゲームをプレイするには非常に理想的な構成であり、現行製品のなかでも最高クラスのゲーミングノートだと言える。今後新しいCPUやGPUの発表が控えているが、新パーツ搭載機は総じて値段が高い。コストパフォーマンスを考えるなら、この価格帯が妥当な線だ。さらにプリインストールOSには、Windows Vista Home Premiumを採用しているので、ゲームだけではなくさまざまなシーンで重宝するだろう。PCで実現できるあらゆるエンタテイメントを楽しみたいユーザーにおすすめの製品だ。
ベンチマーク
3DMark06(800×600ドット) | CPU Score | 2287 |
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3DMark | 9103 | |
フルパワーモードにてFFBenchをローモードでループさせたバッテリ持続時間(9セルバッテリ使用) | 約1時間40分 |
スペック
CPU | Core 2 Duo T9300 |
---|---|
チップセット | Intel GM965 Express |
メモリ | 2GB(最大2GB) |
グラフィックスチップ | NVIDIA GeForce 8800M GTX/GDDR3 512MB |
ディスプレイ | 17型ワイド光沢液晶(1920x1200ドット) |
HDD | 160GB(Serial-ATA、5400rpm) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
有線LAN | 内蔵(10BASE-T/100BASE-TX)/1000BASE-T |
無線LAN | 内蔵(IEEE802.11a/b/g/n) |
Bluetooth | なし |
モデム | なし |
Webカメラ | 130万画素 |
その他の主な機能 | 特になし |
メディアカードスロット | 内蔵(SD/MS/MMC対応) |
拡張カードスロット | ExpressCard/34スロット |
インタフェース | 外部ディスプレイ(DVI、Sビデオ)、USB2.0×4、ヘッドホン出力、マイク入力、IEEE1394(4ピン) |
本体サイズ | 397(W)×284(D)×22~44(H)mm |
本体重量 | 約4.1kg(バッテリーパック装着時) |
バッテリ駆動時間(公称) | 約2時間 |
OS | Windows Vista Home Ultimate |
価格 | 28万4,970円から |
(dcp)