モバイルノートは、家のメインマシンを補佐する「サブマシン」として使う人が多い。メーカーもそれを想定して、携帯性に特化したモデルをラインアップしている。しかし、メインマシンに加えてモバイルノートを揃えるとなると、相当予算がかさむ。できるだけ安く、自宅と屋外でのPC環境を整えたいという人には、メインとサブの役割を両方担える「FMV-BIBLO MG90Y/V」がお勧めだ。
FMV-BIBLO MG90Y/Vは、富士通の高機能モバイルノート「MG」シリーズの最上位モデル。14.1型ワイドの液晶ディスプレイは、モバイルノートとしては大型の部類だ。しかし、筐体の幅は同シリーズ13.3型ワイドモデルより2mm長いだけ。液晶フレームを極限まで細くすることで、コンパクトさと画面の大きさを両立しているのだ。
まずは携帯性をみていこう。筐体サイズは316(W)×253(D)×34(H)mmで、重量は約1.79kgだ。ただし、DVDスーパーマルチドライブが着脱式となっているので、取り外せばさらに110g軽量化して約1.68kgとなる。モバイルノートの重さは1.5kg以下がひとつの目安になるが、この程度のオーバーなら許容範囲といえるだろう。バッテリー駆動時間は公称値で約5.8時間。10時間超のモバイル専用ノートに比べると見劣りするが、半日の外出程度ならバッテリー切れを気にせず使える値だ。省電力機能を無効化し、液晶ディスプレイを輝度最大にして「FINAL FANTASY XI Official BenchMark」のデモモード(Lowモード)をループさせたところ、131分経過したところで電源が落ちた。このような電源消費が激しい使い方でも2時間持つので、庭でDVDビデオを観るといった使い方もできる。なお、ワンセグチューナーを搭載しているので、外出先で急な待ち時間が発生しても退屈しないだろう。
また、FMV-BIBLO全般に搭載されている指紋認証センサーは外出先で役立つことが多い。ネットカフェや出先のオフィスなどで第三者にデータが盗まれることを防げるうえ、指紋認証によるログインは非常に手軽なので重宝する。無線LANは、IEEE802.11a/b/gに加え、.n ドラフト2.0に準拠しているので、将来環境が整備されれば、より快適にネットブラウジングやメールチェックができるようになる。
次は、メインマシンとして基本性能をチェックする。CPUはIntel Core 2 Duo T8100(2.1GHz)を採用し、メモリはDDR2 SDRAM PC2-5300を2GB積んでいる(最大4GB)。エントリークラスの据え置きノートよりも数段ハイスペックで、Windows Vista Home Premiumが軽快に動作するレベルだ。なお、3DMark06の総合スコアは577で、CPU Scoreは1757だった。オンラインゲームはもちろん、低解像度なら3Dシューティングゲームも遊べる性能だ。また、HDD容量もビジネス向けには十分な160GBなので、動画収集などの用途でなければ、外付けHDDなしに使い続けられる。
液晶ディスプレイの解像度は1,280×800ドットと、一般的な15.4型ワイドノートと同じ広さだ。キーピッチも据え置きタイプと同じ横幅19mmをキープしている。キーボード面はスタンダードで、矢印キーが一段下がっているため、デスクトップ機を使い慣れた人でも乗り換えやすい。視認性と入力性において据え置き型に見劣りする部分はないといえる。
また、「Microsoft Office Personal 2007 with Microsoft Office PowerPoint 2007」をプリインストールしているので、買ったその日からExcelやPowerPointの資料を開いて編集することができるのもうれしい。Excelは画面解像度が低いと操作性が大きく落ちる。モバイルでも普段と同じ広いデスクトップで操作できるアドバンテージは、使うほどに実感できるはずだ。なお、PowerPointを標準搭載する機種はまだ少ないが、プレゼンを頻繁に行うなら欠かせないソフトだ。外出先でプレゼンテーションの予習や修正が自在にできるので、そういう面からも抜かりのない構成といえる。
本体正面。IEEE1394端子やヘッドホン/マイク端子を備える。付属のワンセグアンテナもヘッドホンケーブルとつなぎ、前面に装着する |
本体左側面。Expressカードスロットやカードリーダーなどが並ぶ。なお、本体右側面には3基のUSB端子やモバイル・マルチベイが配置されている |
FMV-BIBLO MG90Y/Vをモバイル専用ノートと比べると、軽量さやバッテリー駆動時間で劣る部分はあるが、たまに持ち出す程度の使い方なら十二分の実用性を備えているといえる。そのうえ、基本の性能は据え置き型を凌駕するレベルなので、処理能力は文句なし。やはり、一番の魅力は外出先でもメインマシン並みの快適さが使えるという点だ。使用シーンを選ばずに、どこでも高速なマシンを使いこなしたいというニーズに、ぴったりあてはまるモデルだろう。
ベンチマーク
3DMark06(800×600ドット) | CPU Score | 1757 |
---|---|---|
3DMark | 577 | |
フルパワーモードにてFFBenchをローモードでループさせたバッテリ持続時間(9セルバッテリ使用) | 2時間11分 |
スペック
CPU | Core 2 Duo T8100 |
---|---|
チップセット | Intel PM965 Express |
メモリ | 2GB(最大4GB) |
グラフィックスチップ | チップセット内蔵 |
ディスプレイ | 14.1型ワイドTFTカラー液晶(スーパーファイン液晶、1,280×800ドット) |
HDD | 160GB HDD (SATA、5400rpm) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(着脱式) |
有線LAN | 内蔵(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T) |
無線LAN | 内蔵(IEEE802.11a/b/g/n) |
Bluetooth | 内蔵 Ver.2.0+EDR |
モデム | 内蔵 |
Webカメラ | なし |
その他の主な機能 | 指紋センサー、ワンセグチューナー |
メディアカードスロット | 内蔵(SD/MS/xD対応) |
拡張カードスロット | ExpressCard/54/34スロット |
インタフェース | 外部ディスプレイ(D-Sub15ピン、Sビデオ出力)、USB2.0×3、ヘッドホン出力、マイク入力、IEEE1394(4ピン) |
本体サイズ | 316(W)×253(D)×24.3~34.0(H)mm |
本体重量 | 約1.68kg(DVDドライブ,バッテリーパック装着時)、約1.79kg(バッテリーパック装着時) |
バッテリ駆動時間(公称) | 約5.8時間(付属バッテリーパック時) |
OS | Windows Vista Home Premium |
WEBMART価格 | 24万9,800円から |