美味しいイタリアン・コーヒーを飲みながら、デジカメの写真プリントができるお店がある……、そんな噂を聞きつけて東京都・渋谷区にある「FOTOCAFE」(フォトカフェ)を訪れてみた。

「FOTOCAFE」店内。壁にはプリントされた写真が並ぶ。お願いすれば力作を貼ってもらえる場合も

「FOTOCAFE」は、現在モスクワで3店舗を展開するロシア発の「デジタルプリントショップ」と「カフェ」が融合した新スタイルのお店。今回訪れた渋谷店は、その国内第1号店だ。約100枚を10分程度で仕上げてしまう高品質かつスピーディーなプリントをウリとする同店は、2007年5月のオープン以来、学生からお年寄りまで幅広い年齢層の方に愛用されているという。

ゆったりとしたソファでくつろぎながら、友だちと写真を選ぶことができる

2階スペース。ソファ席のほか、カウンター席も用意される

店内は、白を基調としたインテリアを配し、開放的な空間が広がる。壁にずらりと並ぶ写真は、写真好きにはうれしい演出だ。まず、SDカードなどの記録メディアをスタッフに渡すと、テーブルに設置された端末に写真が表示される。来店者は席に座ったままモニターに表示された写真を選んでプリントを注文できるのだ。サイズの設定やトリミング、補正などの簡単な画像編集にも対応している。

パソコン操作が苦手な人には、対面式カウンターでスタッフが対応する。写真プリントへのタイトル文字入れ(はがきサイズ、八つ切サイズのみ)、赤目補正、RAWフォーマット変換、明るさ調整、データバックアップなどのサービスも用意されている

プリント注文画面。トリミングや補正など簡単な画像編集も行える

カレンダーも制作可能。何月始まりにするのかも設定できる

「写真はコミュニケーションツールだ」と語るフォトカフェ 代表取締役 森正章氏

プリントやカフェメニューが10%オフになる特典つきの会員には、SuicaやPASMOなどのICカードをテーブルに設置されたカードリーダーにタッチするだけで登録完了。プリント代金は、Lサイズ40円(36円)、はがきサイズ40円(36円)、八つ切サイズ80円(72円)、A4サイズ300円(270円)、A3サイズ700円(630円)、ビッグパノラマサイズ1,500円(1,350円)となっている(括弧内は会員価格)。大きいサイズのプリント代ほど割安感のある価格設定となっているのは、「迫力ある写真プリントをぜひ楽しんでいただきたい」という想いからだとフォトカフェ 代表取締役 森正章氏は説明してくれた。

実際に同店のプリントサービスを利用すると、遊び心溢れる仕掛けの数々に気づく。「ロシアでは、"はやい"といえば、飛行機なんです」と森氏が語るように、空港をイメージして設置された"プリント・フライト・インフォメーション"で注文したプリントの進行状況がわかるほか、航空チケットに模した受け付けチケットが用意されるなどのこだわりが随所にみられる。プリントするという行為に娯楽性をプラスし、待ち時間も飽きさせないのだ。

対面式カウンターでの注文時には、"プリントフライトチケット"が発券される

"プリント・フライト・インフォメーション"で、プリントの進行状況を確認可能

写真提供時の封筒もエアメール用封筒をイメージ

プリントされた写真はトレーにのって運ばれてくる

また、"カフェ"というだけあって、伊ラ・マルゾッコのエスプレッソマシンでいれる本格派のコーヒーやワッフル、パイなどのデザートを含む60種類以上の豊富なメニューが揃う。コーヒーやデザートも、テーブルの端末から注文できるので、ついつい写真プリントと一緒に追加注文してしまいそうになる。

伊ラ・マルゾッコのエスプレッソマシン

フォトカフェ・ダブルショット。コンデンスミルクとエスプレッソをシェイクしたドリンク

さらに同店では、プリントだけではなく「センド・フォト」というサービスも提供している。この機能を使用すれば、写真をアップロードし、知人などと写真データのやり取りをすることもできるので、活用度は高い。

今後の展開としては、「結婚式会場で撮影した写真を、メッセージ文字入りでプリントし会場にバイク便で届けるサービスやお店でのライブも計画していますよ」と森氏のアイディアはつきない。ロシアでは、旅先での写真を知人に贈ったりするなど、写真を囲んでのコミュニケーションが盛んだという。FOTOCAFEにて、"プリントを楽しむ"という写真の新たなコミュニケーションを体験してみてはいかがだろうか。