ブラザー(ブラザー工業、ブラザー販売)、キヤノン(キヤノン、キヤノンマーケティングジャパン)、デル、エプソン(セイコーエプソン、エプソン販売)、日本HP(日本ヒューレットパッカード)、レックスマーク(レックスマークインターナショナル)は、日本郵政グループ(郵便事業、郵便局)と協力して、使用済みインクカートリッジの共同回収「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」を4月8日に開始。全国の主要郵便局3,638拠点で回収する。
インクカートリッジは、現在国内で2億個が使用されていると推測されている。使用済みのインクカートリッジは量販店の窓口などで回収しているが、回収率は10%程度と低い。これは、インクカートリッジのほとんどが家庭から一般ゴミとして捨てられているため。これを郵便局で回収することで、回収率のアップを図る。すでに郵便局は、消火器や家庭向けPCの回収窓口として利用されている。今回、これに追加してインクカートリッジの回収が行われることになる。
プリンターメーカーを代表してプロジェクトを説明するキヤノンマーケティングジャパン 村瀬治男 代表取締役社長 |
今回のプロジェクトのイメージ。全国の郵便局で回収したカートリッジが最終的に各プリンターメーカーに届く |
今回のプロジェクトでは、郵便局が回収箱の局内の設置、郵便事業が資材の物流と箱のゆうパック配送、ミズベ事業所がメーカー別仕分け作業、プリンターメーカーが再資源化処理と告知活動という役割を担う。
実際に、郵便局の回収箱で回収されたインクカートリッジは、「ゆうパック」で「ミズベ作業所」に送られる。ミズベ作業所で仕分けされたカートリッジは各メーカーへ送られ、メーカーがリサイクルする。仕分けを行う「ミズベ作業所」は、エプソン関連会社の障害者雇用施設。今回のプロジェクトに加わることで障害者雇用の拡大にも貢献する。
カートリッジは回収後に各メーカーでマテリアルリサイクルされ、カートリッジのほかプリンターの部品などに加工。ほぼ100%で再資源化される。費用は、ほぼ回収比率にあわせて各社が負担する。今回、全国3,638の郵便局のみで回収を行うが、これは集配機能を持ち回収と管理が行いやすい郵便局にしたため。今後、駅前、住宅地、幹線道路沿いなどの立地条件を含めて幅広い展開を検討する。目標は回収率10%アップで、その後20~25%アップまで目指す。
このプロジェクトについては、プロジェクト実施に先駆け2007年11月に都内10カ所でトライアルを開始。何も告知をしていなかったにも関わらず、年末には1局あたり300個程度を回収(現在は平均で1局150個程度)し、各メーカーが満足いくレベルに達したことから実施に踏み切った。