堅牢さを売り物にした腕時計「G-SHOCK」が発売されたのは1983年5月。25周年を記念してカシオ計算機では、発売された年に生まれた現在25歳と、発売時に25歳だった現在50歳のビジネスパーソン男女各298名、合計596名を対象に、「仕事とプライベートに対する感覚・意識の変化」と題するインターネット調査を実施した。

そこから浮び上がったのは、この四半世紀での日本人の変化。たとえば、「一人前」になるまでに何年必要か? この問いに対し、今の25歳は3年間、50歳は25歳のとき5年間と思ったとの回答がもっとも多かった。では、50歳になった今振り返り「一人前」になるには何年必要だと思うかと50歳に質問したところ、10年間以上との回答が44%もあったのに対し、一人前になるのに10年間以上と考える25歳は20%にとどまり、一人前になる現実の厳しさを物語っている。

仕事にやりがいを感じているかとの問いには、「とても感じている」が25年前は34.2%だったのに対し、現在の25歳では12.1%と約3分の1に激減。現在の職場を3年以内に辞めると答えた25歳は4割にのぼり、25年前の4倍になった。また定年まで辞めないと答えた25歳はわずか12.4%だったが、50歳が25歳の頃には35.9%が辞めないと思っていたという。転職が当たり前の時代性と同時に、やりがいが見つけられないという問題も浮き彫りになった形だ。

プライベートについても、上司との夜の会食やカラオケといった付き合いは25年前と比べ半減、社外の人間との付き合いも同じく半減した。若者が会社組織の人間関係にこだわらない傾向と、人間関係が希薄になっていることが浮き彫りになった。もっとも顕著な例は、会社の宴会や飲み会とデートなどが重なった場合。25年前は4割が会社を優先したが、現在の25歳で会社を優先するのは2割。プライベートを大切にする傾向が強まっている。

今回の調査からは、この25年間での仕事に対する意識の変化があらためて浮き彫りになった。レポートは「長年根づいていた『耐える』という概念が全体的に薄れ、『個』立化が進んでいるが、社会人として一人前になるためには、多くの人との関わりが必要不可欠。経験豊富な先輩から多くを吸収してほしい」とまとめている。