英国の通信規制当局である英情報通信庁(Ofcom)は3月26日(英国時間)、フライト中の航空機における、乗客による携帯電話の利用を認めることを発表した。英国に登録している航空機は、英国と欧州の航空規制当局の承認を得られれば、オンボードのベースステーションを利用した携帯電話の利用が可能となる。

Ofcomは昨年10月、航空機に"ピコセル"といわれる小型基地局を搭載する「オンボードベースステーション」による携帯電話サービスを実装例として提案しており、協議を行ってきた。今回の決定はこれを受けてのもの。

このシステムでは、航空機が上空3,000m以上に達すると、乗務員がピコセルをオンにする。ピコセルが衛星とやりとりし、衛星を経由して地上にあるモバイル網に接続するというもの。対象は2Gのみで、音声通話、SMS、データ通信の受発信を行える。3Gについては、今後の動向を見ながらとなる。

サービスを提供するには、英国の民間航空管理庁(CAA)と欧州航空安全局(EASA)の承認を得る必要があり、提供区域は欧州の空域となる。

Ofcomは今回の決定を、他の欧州各国と足並みを合わせた結果と説明している。