中国版W-SIMの試作機

ウィルコムは26日、中国でPHSサービスを提供する中国網通と共同で、PHSモジュール「W-SIM」の海外用インタフェースならびにそれを実装した試作機を開発したと発表した。中国網通は4月以降に中国版のW-SIMを発売する予定。

日本国内で現在販売されているW-SIMと形状は同一だが、中国のPHSで利用されている「PIMカード」に相当する機能を追加している(内蔵機能のためPIMカードのスロットを備えるものではない)。音声通話のほか、32k/64kPIAFSおよび最大4xのパケット方式によるデータ通信に対応する。

中国網通は当初、USB接続型のデータ通信アダプタとあわせてW-SIMを発売する。W-SIMの製造ベンダーは同社が現在選定中。中国ではこれまでPHSを利用したデータ通信サービスが提供されてこなかったが、W-SIMの投入にあわせてパケット方式の通信が導入され、データ通信サービスが本格化する見込み。

25日、ウィルコム本社を訪れた中国網通国家工程実験室 副総経理の劉克鈞氏(右)と、ウィルコム代表取締役社長の喜久川政樹氏

ウィルコムでは、中国以外のPHS導入国(台湾・タイ・ベトナム等)でもデータ通信のニーズは高く、今後各国の事業者にW-SIMの導入を提案していくとしている。