米X PRIZE Foundationと米Progressiveは3月20日 (現地時間)、ニューヨーク国際自動車ショーにおいて、Progressiveが「Automotive X PRIZE」のタイトルスポンサーになったことを発表した。これは環境に優しい次世代低燃費カーの開発を競うコンテストで、正式名称が「Progressive Automotive X PRIZE」となり、総額US1,000万ドルの賞金がかけられる。X PRIZE Foundationは近日中に競技ガイドラインの最終版および開催地やルートなどを含むコンテストの詳細を発表するという。

X PRIZE Foundationは、民間機による有人宇宙飛行の早期実現を目指して2004年に行われた有人弾道宇宙飛行コンテスト「Ansari X PRIZE」の主催で知られる。その成果が現在Virgin Group傘下の宇宙旅行会社Virgin Galacticが開発を進めている商業宇宙飛行プログラムにつながった。Automotive X PRIZEの狙いは、量産可能で100MPGe(miles-per-gallon equivalent)以上を実現する次世代低燃費カーの実現だ。また一般消費者のエコカーへのシフトを幅広く支援するプロジェクトという側面もあり、例えば最終段階まで勝ち抜いたチームにはAutomotive X PRIZEからの技術認定を提供する。

コンテストは、4輪以上で乗車定員4名以上の"Mainstream"部門と、乗車定員2名以上で車輪数など車両形状を問わない"Alternative"部門の2カテゴリで実施される。重視されるのは、環境対策、安全性、一般普及の3点。2007年4月に公開されたドラフト案では、100MPGe以上の燃料効率、200g/mi以下のGHG排出量、世界的な安全基準、一般向け自動車レベルの製造コストなどが課されていた。同様の条件が最終ガイドラインにも盛り込まれるという。競技は2009年から2010年にかけて、予選と本戦に分けて行われる。一般的な運転環境の範囲内で、地形や環境、天候などが異なる様々なパターンを走行し、完走に要した時間と獲得スコアで勝者が決まる。賞金はMainstream部門とAlternative部門で3対1に分割される。