NVIDIAは、ハイエンド向けGPUの新製品「GeForce 9800 GX2」を発表した。同社としてはGeForce 7950 GX2以来のデュアルGPU製品となる。このGeForce 9800 GX2搭載カードを2枚用いたQuad SLIにも対応し、NVIDIAのGPUラインナップでは最上位に位置づけられている。価格帯は599~649USドル。
主な仕様は、まず1GPUあたりでストリームプロセッサ数が128基、コアクロックが600MHz、シェーダークロックが1.5GHz、メモリは256bit接続のGDDR3メモリ、メモリクロックは1GHz(データレート:2GHz)で容量は512MB。トータルではストリームプロセッサ数が256基、メモリ容量は1GBとなる。バスインタフェースはPCI Express 2.0に対応する。
GeForce 9800 GX2搭載グラフィックスカードは、それぞれ1基のGPUを搭載した基板が2段積み重なる構造となっている。そのため、搭載する際には拡張スロットを2スロット分占有する。冷却機構はカード全体をフルにカバーするもので、GeForce 7950 GX2と比較しても大型化した印象が強い。ブラケットに搭載されたディスプレイ出力端子は、DVI-I(デュアルリンク対応)×2およびHDMI。そのほかカード上には補助電源として8ピン+6ピンのPCI Express用電源コネクタも搭載している。カード全体での消費電力は約197W。
SLIには、1GPUが1フレームのレンダリングを行うAFR(Alternate Frame Rendering)モードと、1フレームを分割し複数のGPUによってレンダリングするSFR(Split Frame Rendering)モードとがある。従来までのQuad SLIでは、奇数フレームを上下に分割したうえで2基のGPUでレンダリング、偶数フレームも同様の方法でレンダリングするという「AFR of SFR」が用いられていた。これに対しGeForce 9800 GX2でのQuad SLIは、4つのGPUがそれぞれ1フレームごとにレンダリングする4way-AFRが採用される。なお、GeForce 9800 GX2のQuad SLIでのパフォーマンスは対シングル比で最大約180%の向上があると同社資料は示している。
このほかにも、「Dynamic Contrast Enhancement」などに対応した最新バージョンのPureVideo HDを搭載。対応マザーボードと組み合わせることで、低負荷時にはマザーボード側GPUを利用することで消費電力を抑制するHybridPowerも利用可能だ。