16日、AMDは『AMDの春一番!「AMD 780チップセット」お披露目イベント』をCAFFE SOLARE リナックスカフェ秋葉原店にて開催した。
イベントはタイトルのとおりAMD 780シリーズチップセットの機能を紹介する内容。店内にはAMD 780Gチップセットを搭載した各社マザーボードやそれを搭載するデモ機、そしてAMD 780シリーズを採用したショップブランドPCが並んだ。また、先日AMDが発表したHDグラフィックスソリューション「AMD HD! Experience」に関連し、ソフトウェアパートナーであるサイバーリンク、Neroもプレゼンテーションを行った。
展示を行っていたマザーボードメーカーは、ASUSTeK、エムエスアイコンピュータージャパン、Jetway(CFD販売)、日本エリートグループ、そしてGIGABYTEなど。クリアケースや、ケース天板を開いた形での動作デモが中心で、ゲームはもちろんだが、特にHD映像再生のデモが多かった点が今回のイベントの特徴でもある。
ショップブランドPCの展示は、eX.computer、ユニットコム(パソコン工房、TWOTOP、FAITH)、マウスコンピューター、ドスパラ、ソフマップ・ビックカメラなど。チップセットの方向性から、コンパクトなきょう体、スリムなきょう体を採用した製品が多く、普段のイベントのようにパワーゲーマー向けの大型きょう体が並ぶ展示とはここも異なる。ただし、AMD主催ということもありRadeon HD 3870や同3870 X2を搭載したデモ機もしっかり展示されていた。
イベント最後に催されたAMDのプレゼンテーションは"兄貴"こと土居憲太郎氏と森本竜英氏が行った。「AMD HD! Experience」の概要や、CPUロードマップや4GPUによるCrossFire Xなどを紹介する内容。
普及価格帯デスクトップPCでHDビデオを楽しもうというAMD HD! Experienceについて解説した土居氏は、三洋電機のDムービーカメラ「Xacti」を手に登場。フルHDビデオが徐々に身近になってきているなか、AMD HD! Experienceによってパソコンで視聴、再生、編集を可能になると紹介した。そこでAMD 780GとAMD 690GとでHDビデオ再生時のCPU負荷を比較。この2製品では、搭載するUVD機能のバージョンが異なり、AMD 690GではHDビデオ再生時のCPU負荷はかなり高め、対する第2世代のUVD機能を搭載するAMD 780Gでは1~3%となっていた(ただしAMD 780GがPhenom 9500、AMD 690Gが現在の平均的構成を想定したAthlon 64 X2 4200+@1.8GHzという搭載CPUの違いもある)。
AMD HD! Experienceの概要を紹介 |
リソースメーターでHDビデオ再生時のCPU負荷を比較。左のAMD 780GではほとんどCPU負荷が無く、右のAMD 690Gではほとんど天井に張り付いている |
このAMD HD! Experienceを普及させるため、AMDでは3月末にAMD HD! Experienceサイト(仮称)を開設予定と紹介した。同サイトには土居氏、森本氏もブログを開設するという。また、将来的なこととして、GPUでHDビデオのエンコーディングを行うソフトウェアの開発をしていることも紹介した。
また、CPUロードマップでは、これまでのAMD CPUの発売スケジュールを一覧に、パフォーマンスと消費電力を比較したプレゼンを紹介。「大体5ヶ月単位で今まではTDPが下がったりしてました」という公式を持ち出し、ではPhenom登場から5ヶ月後の4月、ここで低電力版が登場することを臭わせた。さらに今年後半に登場する予定の45nmプロセスに関して、既にCeBITでは動作デモも行われたように「もう動いています」と順調をアピール。そして実際45nmプロセスで作られたというウエハもお披露目された。