マイクロソフトのSaaS戦略の概要が次第に明らかになってきた。同社は先日、CRM(Customer Relationship Management)アプリケーションの新版「Microsoft Dynamics CRM 4.0」日本語で、SaaS型の投入を開始した。さらに、「Office Live Small Business」を発表、小規模企業向けに、Officeアプリケーションとサービスを組み合わせたソリューションを提供する。さらに、Windows Liveを本格化させており、主に一般消費者向けに、基本的に無償でメール、メッセンジャー、ストレージなどのサービスを供給する体系が整ってきた。

米IDCでは、2006年5月時点で、今後の全世界でのSaaS市場規模予測として、2010年で40億ドル強程度と見込んでいたが、2007年3月には、同年でおよそ120億ドルに上方修正している。山賀氏は「国内でも、3年で2倍以上にはなるのではないか」と指摘する。高い成長性が期待できるSaaS分野への対応は同社の急務だ。また、ブロードバンド化の進展と、それがもたらしたSaaS、Web2.0の潮流がうねりを強めるなか、ソフトの供給形態、事業手法の改革は大きな課題だ。今回のプログラムでは、Windows技術を用いた、ソフトのサービス化、そして、それを担ぐISVの育成と拡大、さらにはパートナーをも含めた、マイクロソフト陣営のSaaS共同体の確立が目的といえるだろう。