シマンテックは12日、Windows Mobileを搭載したスマートフォンに対応した法人向けセキュリティスイート「Symantec Mobile Security Suite 5.1 for Windows Mobile」を発表した。価格は導入規模によって異なり、100~249人での導入は1人あたり6,700円。出荷開始は3月14日を予定している。
Mobile Security Suite 5.1は、モバイルセキュリティとデータ保護を一体化したWindows Mobile向けのスイート製品。ウイルス対策に加えて、4段階のセキュリティレベルを選択できるファイアウォールを搭載する。管理コンソールでは、セキュリティポリシーのカスタマイズやレポーティングといった機能を集中管理できるようになっている。
また、紛失しやすい携帯端末での使用を考慮し、デバイスやメモリカード上のデータの暗号化、機密ファイルへのアクセスの有無を判定するファイル活動履歴機能、ログインパスワードの認証に一定回数失敗した場合に、全データを消去するデータワイプ機能などを備える点が特徴。別売りの「Symantec Mobile VPN 5.1」と組み合わせれば、企業ネットワークにVPN接続できる。
シマンテック プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャ 山中幸代氏 |
同日シマンテックは、報道関係者向けに記者発表会を開催し、製品概要や機能の詳細について説明した。説明会では、シマンテック プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャ 山中幸代氏が「スヌープウェア」の脅威やその認識状況を紹介。スヌープウェアは、携帯電話やスマートフォンに感染し、会話の盗聴や写真、ムービーを使ったスパイ行為を働くという。「プライベート、ビジネスの両方のデータを取り扱う可能性のあるスマートフォンを、通常の携帯電話を持っている感覚で利用しているユーザーが多く、リスクに対する知識が欠如している」と指摘した。
続けて、スマートフォンの全世界の年間出荷台数が約1億1,500万台とノートPCとほぼ同等になった点や、スマートフォンユーザーの50%がパスワードの必要なWebサイトへアクセスし、34%がインターネットバンキングを利用している現状を紹介。スマートフォンにもノートPCなどと同水準のセキュリティ機能、データ保護機能が必要であると説明した。
説明会には、Windows Mobileを搭載したスマートフォンを提供している、イー・モバイル、ウィルコム、ソフトバンクモバイルの各担当者が出席、次のようにSymantec Mobile Security Suite 5.1やシマンテックとの協業へ期待を寄せた。「サービスを始めたばかりのイー・モバイルだが、Mobile Security Suite 5.1は我々でも簡単にセキュリティ対策を導入できる」(イー・モバイル 営業本部 法人営業部部長 鎌田浩彰氏)、「スマートフォンだけでなく、今後はPCに近い分野でも協業していきたい」(ウィルコム 事業促進部 ソリューション開発グループ課長 工藤恵記氏)、「ソフトバンクは、計10機種のスマートフォンを発表しているが、法人向けサービスが弱いイメージがある。ソフトバンクの法人向けソリューションと共に、Mobile Security Suite 5.1を提供すれば、より販売しやすくなる」(ソフトバンクモバイル 法人マーケティング統括部 プロダクトマーケティング部 ソリューション開発課課長 國枝良氏)。
イー・モバイル 営業本部 法人営業部部長 鎌田浩彰氏 |
ウィルコム 事業促進部 ソリューション開発グループ課長 工藤恵記氏 |
ソフトバンクモバイル 法人マーケティング統括部 プロダクトマーケティング部 ソリューション開発課課長 國枝良氏 |