一方で、重点分野のひとつとしているノートパソコンでは9つの新製品を投入し、法人市場において全世界トップシェアを獲得したことに加え、第4四半期の売上高が24%増、出荷台数は37%増となったことを強調。コスト、製品デザインの改革のほか、製品投入サイクルの短縮化を実現。Inspiron 1525では、コンセプトから製品化までの期間が前モデルの半分になり、1台当たりのコストは70ドル減少したという。

エンタープライズ事業については、「ITのシンプル化」のもと、他社製品に比べて1ワットあたり28%高いパフォーマンスを実現する「PowerEdge Mシリーズ ブレードサーバ」や、データセンターストレージおよび仮想化のバックボーンの役割を果たす「Dell EqualLogic PS5000シリーズ」や「iSCSI SANアレイ」を投入。柔軟で拡張性のあるサービスを提供する「デル・プロサポート」などの提供により、業績を拡大。また、中小企業向けに、エントリレベルのストレージエリアネットワーク(SAN)である「AX4-5」をはじめとする新製品を投入したことが貢献した。

戦略的ビジョン

4つの重点テーマとサービス事業の関連づけ

また、APJでは、法人向けサービス事業が四半期で過去最高の伸張率を達成したこと、顧客満足度で92%を達成したことなどをあげた。

日本では、法人事業の売上げ成長率が市場全体の2倍以上となっていること、営業利益が前年比50%増となっていることを示すとともに、ノートパソコン製品の出荷台数が急速に増加していることやエンタープライズソフト製品の売上高が前年比2倍以上に成長していることを示した。「既存顧客に加えて、新規顧客を獲得したことが成長の要因となっている。新規顧客の数は、企業ユーザーは、この1年で14%も増えとなり、個人ユーザーでは22%も増えている」(ジム・メリット社長)とした。日本における新規ITソリューションの導入例として、JTBや読売旅行、SEGAなどをあげ、「デルが製品だけでなく、トータルソリューションを提供できる企業になっていることを証明している」(メリット氏)などとした。

また、販売チャンネル向けプログラムである「PartnerDirect(パートナーダイレクト)」が正式に発足。これにより、中堅/中小企業をターゲットとする全世界の3万社のパートナーに対するデルのサポートを強化したという。

メリット社長は、「日本においても、中堅/中小企業向けのチャネル拡大に向けた専門組織を設置した。ディストリビュータは含まずに、リセラーやVARなどを対象にパートナー契約を結ぶ交渉を進めている段階。中小企業向け市場におけるデルの事業拡大に、重要な役割を示すことになる」と語った。

コンシューマ事業においては、 米Best Buyや、英Tesco、Dixon's Store(DSGi)、仏Carrefourなどと戦略的提携関係を結んだほか、日本でもビックカメラやソフマップ、ベスト電器、さくらやでの取り扱いを開始。デル製品を提供する小売店舗は全世界で1万店を超えたという。

「日本では100店舗の小売店での取り扱いが開始され、これまでデルがリーチできなかった顧客層にもリーチできるようになっている」(フェリス氏)、「デルと小売店がお互いに収益を食い合うのではなく、オンラインと小売りといった形で、お互いに補完できる環境にある。購入の選択肢を広げることが重要であり、すぐに製品を入手したい人は、小売店で購入することができる」(メリット氏)などとした。