3月14日に公開されるディズニー映画最新作『魔法にかけられて』のプロモーションで、ロバート・パトリック役のパトリック・デンプシー、ケヴィン・リマ監督、音楽&作曲のアラン・メンケンが来日し、3日都内で記者会見を行った。

劇中で使用された衣装が会場に展示されていた。ジゼルがニューヨークに飛ばされた時に来ていたウェディングドレス(左)と、エドワード王子の「いかにも!」な王子服(右)

『魔法にかけられて』はディズニー伝統のファンタジーアニメと実写を融合させたディズニー映画最新作。おとぎの国「アンダレーシア」に住む美しい少女・ジゼルはエドワード王子と運命的に出会い、結婚の約束を交わす。しかし婚礼の日の朝、エドワード王子の継母である魔女のナリッサに騙され、別世界へ追放されてしまう。気絶したジゼルが目覚めたところは、現実世界のニューヨーク。さらにアニメーションのキャラクタから生身の人間へと変わってしまっていた。シニカルな現実世界では、おとぎ話の世界の住人はどうなってしまうのか。

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ニューヨークに住むリアリストの離婚弁護士ロバート・フィリップを演じるのはパトリック・デンプシー。『グレイズ・アナトミー』の外科医デレク役で大ブレイクし、ヴェルサーチの広告モデルに抜擢されるなど世界中で人気沸騰中だが、第一声は「ヨロシクー」といたってフレンドリー。「一生懸命日本語を勉強してるんだけど、どうだったかな。この作品は魔法がいっぱいの映画。難しいところもたくさんあったが、皆さんに見てもらえるのが嬉しい」と挨拶した。

42歳のパトリック・デンプシー

アニメーション、ラブコメディ、ロマンス、ミュージカルなど多様な要素を持つ本作だが、「3~5本くらいの映画を同時に撮っているような感覚だったね。たくさんの困難があったよ。パトリック目当てのファンを制御したりとかね(笑)。まあそれは冗談だとしても、セントラルパークでのミュージカルシーンは本当に大変だったよ」。そう語るのはケヴィン・リマ監督。実際、300人のエキストラを投じて撮影したこのシーンは圧巻だ。

ケヴィン・リマ監督。劇中ではジゼルの相棒のリス、ピップの声も担当。大変可愛らしいので一聴の価値あり

「何度も来日しているが、日本に来るといつもスリルを感じて興奮する」というアラン・メンケン

音楽を担当するのは『リトル・マーメイド』(1989)や『アラジン』(1992)などで8回もアカデミー賞を受賞している巨匠、アラン・メンケン。「音楽はアニメ用も、実写用もそんなに違わないんだ。スタイルとしては、アニメ部分はウォルト・ディズニーが生きていた古き良き時代の超ロマンティックなディズニーアニメに則っているね。そこからキャラクターは3次元の世界に行って成長していくんだけど、音楽も同じように、よりモダンに進化させていった。その過程が楽しかったよ」。

昨年末の全米公開以来、世界中でヒットとなっている『魔法にかけられて』だが、その理由を「この作品の中心にある"喜び"が観る人に伝わるからじゃないかな。みんなジゼルによって魔法にかけられた状態で劇場を後にしてるんだ」とリマ監督は分析する。

「娘が掃除のミュージカルを気に入ってしまって、一緒に踊ってとせがむんだ。足の上に乗せて毎日のように踊ってるよ」

また、続編に関しても言及する場面が見られた。デンプシーは「脚本を見たときは素晴らしいアイデアだと思った。オーディションでエイミー(・アダムズ : 実写版ジゼル役)と会って意気投合したしね。実現できるのかと思ったこともあったが、すごく楽しかったよ。続編があったらぜひ僕用の曲も作ってもらって歌ってみたいね」とニッコリ。過去の実写ディズニー作品からアニメ化したい作品を尋ねられたリマ監督も「考えたことがないから難しい質問だねー」と苦笑いしながらも、「今回もアニメから実写、そして最後はまたアニメに戻っているでしょ? ……続編について想像していてください(笑)」と意味深な発言を残した。

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『魔法にかけられて』は3月14日より日劇3ほかにて全国ロードショー。

写真:保坂洋也