ヴァージン アトランティック航空(VAA)は24日、世界初となるバイオ燃料によるボーイングB747型機の試験飛行を実施した。試験飛行には機長を含む5名が搭乗し、同日11時34分(現地時刻)にイギリスのロンドン・ヒースロー空港を出発、12時14分(現地時間)にオランダ・スキポール国際空港(アムステルダム)に到着した。

今回の試験飛行は、ボーイング社、GE・アビエーション、インペリアム・リニューアブル社との共同で実施。バイオ燃料の開発は、同社が推進する環境への影響を軽減するための対策のひとつで、持続的利用可能な航空燃料開発事業の一環だとしている。

同実験に使用されたバイオ燃料の原料はババスオイルとココナッツオイル。ババスオイルはブラジル原産のババスの樹木から取れる実から抽出されており、ババスの実はこれまでも薬品や化粧品の原料として使用されている。また、ココナッツオイルはすでにバイオディーゼル燃料などの用途に使用されており、成熟した植林地で栽培されているため森林破壊に繋がる危険はないという。こうして作られたバイオ燃料は航空機やエンジンを改良することなく航空燃料として利用できるとのことだ。

同社および実験を共同実施した各企業は、今回の結果をCO2排出削減に向けた次世代バイオ燃料の研究・開発に利用するとともに、業界全体で情報共有するとのこと。また、ボーイング社は2008年後半に再度試験飛行を実施する予定だ。バイオ燃料の航空機の実用化に関して、同社では「今後さらに改良を重ねて、実用化を目指す」としている。