米NVIDIAは21日(現地時間)、デスクトップ向けGPUの新ラインナップとして「GeForce 9」シリーズを発表した。第1弾として、200ドル以下をターゲット価格帯とするミッドレンジ向けの「GeForce 9600 GT」が発表されており、搭載製品も直ちに発売される見込みだ。

GeForce 9600 GTのリファレンスカード

2-wayのSLI構成にも対応する

「GeForce 9600 GT」は、コードネーム「G94」と呼ばれていたGPU。8800 GT(G92)と同様に65nmプロセスを採用しており、DirectX 10、PCI Express 2.0に対応する。SLIはコネクタが1つしかないことからも分かるように、3-way SLIには対応せず、通常の2-wayのみサポートする。なおHybrid SLIには対応しない。

9600 GTのSLI構成は8800 GTXのパフォーマンスを上回るというベンチマーク結果が紹介されている

コアクロックは650MHzと8800 GTを上回るが、ミッドレンジ向けということで、ストリームプロセッサ数は64基に抑えられている(メモリのスペックは同じ)。ダイサイズは不明ながら、同プロセス(65nm)の8800 GTからトランジスタ数は7億5,400万個→5億500万個に減少しており、約33%縮小した計算になる。

搭載グラフィックカードの価格帯は169~189ドルとされており、同社のラインナップの中では、8800 GTの下、8600 GTSの上に位置付けられている(製品としては8800 GTの下に8800 GSもあるが、これは数量限定版なので除外する)。ボードの消費電力は最大95Wで、電源は400W以上が推奨されている。

新ラインナップ。競合は「Radeon HD 3850」となるようだ

ゲームベンチでは8600 GTSをはるかに上回るスコアを出している

9600 GTの仕様の比較
GPU 9600 GT 8800 GT 8600 GTS
ストリームプロセッサ 64 112 32
コアクロック 650MHz 600MHz 675MHz
シェーダクロック 1.625GHz 1.5GHz 1.45GHz
メモリクロック 900MHz 1000MHz
メモリ容量 512MB 256MB
メモリインタフェース 256bit 128bit
トランジスタ数 5億500万 7億5400万 2億8900万

従来同様、ビデオ支援技術「PureVideo HD」を搭載するが、新機能として(1)デュアルストリーム・デコードアクセラレーション、(2)動的コントラスト調整機能、(3)青・緑・肌色の色調補正機能なども実装された。

左から、緑色・青色・肌色の色調が補正されていることが分かる

ビデオの各フレームでコントラスト調整が可能という(右が処理後)