インテルは、定例記者会見クライアント・レギュラー・アップデートを開催した。

挨拶に立った同社代表取締役 共同社長の吉田和正氏は、45nm High-Kプロセスによるエコプロセッサー、Centrinoプラットフォームの強化、UMPCやMIDといった新カテゴリー製品の提案、そしてWiMAXの本格普及という4つのキーワードを2008年のハイライトとして紹介した。

先日発表されたインテル デュアルソケット Extreme デスクトップ プラットフォーム(コードネーム:Skulltrail)。Intel X48 Expressチップセットとの性能比較が示された

会場に展示されていたSkulltrailデモ機。2つのCPU、4枚のFB-DIMM、2枚のGPUが確認できた

また、デジタルヘルス、デジタルホームに関してもさらに積極的に取り組むことを改めて表明した。デジタルヘルスでは先日、日本医療政策機構との患者会活動の支援を発表している。デジタルホームでは同日、デジタルコンテンツ配信ソリューションとして新しい成果を発表した。

デジタルコンテンツ配信ソリューションにはインテルのほか、クイックサン、フェイス、ドリームボードという3社が関わっている。デモを交え、解説を行ったのはインテルの永井氏によれば、「3社の技術をそれぞれ独立に展開するよりも、これらを繋ぎひとつのソリューションを作ったらより付加価値が高まるのではとマッチメイクした」ものとされる。

デジタルコンテンツ配信ソリューションの概要

具体的にはテレビ、携帯電話、そしてPCという3つの製品がシームレスに連携するのが今回のデジタルコンテンツ配信ソリューションのデモ。ひとつ目の技術は、クイックサンが開発したデジタルテレビでインターネットを操作するユーザーインタフェース技術「ROBRO」。このROBROは、ブラウザにウエブサイトを読み込むと、そのサイトのダイナミックリンクに対して自動的に3桁の番号が割り当て、これによりテレビリモコンの10キーから簡単にページのジャンプが可能になるというものだ。

各リンク横には3桁の番号が挿入される。目的の3桁をリモコンの10キーから入力することでブラウジングできる

ふたつ目の技術は、昨年インテルがフェイスと共同で実証実験を行った「NFRM」。FeliCa ケータイでコンテンツの権利認証を行う技術であり、さらに携帯電話内にのある権利情報を赤外線ポートを通じてPCに転送することでPCの大画面でも購入済みコンテンツを再生可能としているのが特徴だ。

NFRMで携帯電話内にある権利情報をPCに転送、PCではその権利情報をもとに、同じコンテンツのPC向けバージョンが視聴できる

みっつ目の技術は、NFRMのコンテンツ配信部分に採用されている技術でドリームボートが開発した「SkeedCast」。SkeedCastはコンテンツ配信にP2P技術を用いており、セキュアかつコスト効率も高いとされる。

デジタルコンテンツ配信ソリューションのデモの様子

インテルは、このようなシームレスに繋がる各種デジタル器機、PC以外のデジタル器機にもインテル・アーキテクチャを広めていく姿勢だ。インテル・アーキテクチャで統一されることで、「様々なをサービスを行う際にコンテンツを提供する側にもメリットがある」「今そのアーキテクチャではなくても、そのアーキテクチャに移ることによって利用形態の価値があがるのではないか」と吉田氏は述べている。

インテル・アーキテクチャを中心に各デジタル器機がシームレスに繋がる未来を描く同社

ISSCCで概要が公表された低消費電力IAプロセッサー(コードネーム:Silverthorne)に関しても、搭載される機能が紹介されている