「藤本英明展~オブジェとしての絵画~」が3月15日より、東京會舘(東京都千代田区)2階回廊部にあるギャラリーで開かれる。独自の絵画空間を構築する気鋭の現代作家、藤本英明の作品約25点が展示される。開催期間は3月29日まで。

藤本氏は1969年、兵庫県生まれ。千葉大学工学部卒業 武蔵野美術学園油画科修了。2006年に平面絵画の若手登竜門「VOCA展」に出品、2007年にはモンブラン・ヤング・アーティスト・パトロネージ・プログラムに選出された。現在、沖縄県那覇市在住。沖縄での作品発表が多く、東京では実に6年ぶりとなる個展となる。

同展では、ボードに絵の具を幾層にも塗り重ねた画面を、サンドペーパーで下層部の色を削り出し、あたかも遺跡から色と形を発掘するようにして描かれた「花」や「水面と杭」、「竹林」などの作品が並ぶ。心にある"記憶"や"情景"が重層的であるように、丹念に作られた美しい絵肌(マチエール)を持ち、絵画自体がオブジェのような印象を与える。1997年より沖縄に移住し、制作を続ける藤本氏が醸し出す独特の作風は「懐かしさ」や「心地よさ」で観る人を包み込むようだ。

開催期間 3月15日~3月29日
開催時間 11時~19時
休廊日 3月20日/23日

作品紹介

「チルダイバナ(沈滞花)7」2006 123×122cm ボードにアクリル

「チルダイバナ(沈滞花)4」2006 65×50cm ボードにアクリル