世界中の企業が集まるMobile World Congressでは、スタイルや機能などが気になる特徴的な製品も多数展示されていた。その中からいくつかを紹介しよう。
Emporiaの簡単「高齢者」向け携帯
オーストリアのEmporiaブースは、お年寄りの写真と製品の大型ディスプレイがおいてあるだけというシンプルな作り。展示されている同社の製品も、一見するとカラーディスプレイもネットアクセス機能も無い低機能な端末だ。しかし大きな数字キーや緊急発信ボタンを備えるなど、高齢の利用者でも簡単に安心して使える工夫がされている。実は同社のターゲット層は50歳以上であり、いわば「海外版らくらくホン」に特化したメーカーなのだ。
展示されていた端末「emporiaLIFE plus」は昨年発売し20万台を売り上げた初代モデル「emporiaLIFE」の後継モデルとのこと。ボディー色をメタリック調にして高級感を持たせると共に、電池カバーに金属素材を採用することで破損しにくくしている。また本体上のライト、常時表示される電話帳など使いやすい機能はそのまま引き継いでいる。価格などは3月にドイツ・ハノーバーで開催される「CeBIT」で発表されるとのことだ。
ブレスレット? サイコロ? なZTEのコンセプト端末
中国のZTE(中興通信)は、デザインにフォーカスしたコンセプト端末を2機種展示していた。立方体のような形状をした端末のほうは、各面がヒンジでつながっており、曲げたり伸ばしたりできるようだ。ブレスレット形状にして腕に巻くほか、ストレート形状にしても利用することができるという。もう1機種の横にスライドする形状のモデルは、スライドさせた部分が大型のディスプレイになるようである。いずれも商品化については一切未定とのことだ。
電池切れの心配不要、単四乾電池で動く携帯
イスラエルのTechtiumは、電源コントロール技術を開発している企業。同社の充電技術「BackuPower」を搭載したPhilipsのGSM端末「Xenium 9@9j」の紹介を行っていた。端末形状はストレートで下部に単四型の電池を横から入れることができる。携帯電話の内蔵電池が減ってきた際は、メニューから「電源管理」、「Activate backupower?」を選択することで、単四電池から内蔵電池に充電できる。充電中でも携帯電話をそのまま利用できるという。1.5Vの単四電池1本で、20~30分程度の通話時間に相当する電力を供給できるとのことだ。また乾電池ではなく充電池を入れた場合は、ACアダプタから携帯電話の内蔵電池を充電しつつ、単四型の充電池も同時に充電できるとのことだ。
コミュニケータースタイルのWindows Mobile端末
台湾のASUSTeK Computerは多数のWindows Mobileスマートフォンを発売している。同社ブースには、海外ではおなじみのNokiaのコミュニケーターライクなデザインを採用した端末が展示されていた。OSはWindows Mobile 6 Standardで、タッチパネルは搭載していない。また本体を開くと自動的に内部のディスプレイに表示が切り替わる。
またLGも、Nokiaのコミュニケーターに似た形状の端末「KT610」を発表していた。このスタイルは今後一つのトレンドになるのだろうか?