さまざまな分野で研究の最先端にいる学者たちと爆笑問題のスリリングなトークが好評の『爆笑問題のニッポンの教養』(NHK総合 毎週火曜 23:00~23:30)。その90分拡大スペシャルの公開収録が15日、京都大学で行われ、およそ400名の京大生が熱く見守る中、尾池和夫京大総長ら7名の京大教授陣と爆笑問題が3時間を越える舌戦を繰り広げた。
レギュラー週では1人の学者にスポットを当て、その研究室を爆笑問題が訪ねているこの番組。学生たちを前にした公開収録スペシャルは、2006年に東京大学で、2007年には慶應義塾大学でと過去2回行われているが、関西の大学では京都大学が"初"となる。
トークのテーマは"独創力"
最初に何言おうとしてたか見失うぐらい夢中でしゃべった」と太田 |
日本を代表する哲学者の西田幾多郎、湯川秀樹ら5名のノーベル賞受賞者、記憶に新しいところでは、世界で初めてヒトの皮膚から"万能細胞"を作った山中伸弥教授など、世界に誇る独創性豊かな研究者を数多く輩出してきた京大にちなみ、今回のトークテーマは「独創力!」。会場となった大教室には「教室がこんなにいっぱいになってるの、初めて見た」と尾池総長もビックリするほど超満員の学生たちが詰め掛けた。
まずは京大生たちを対象にアンケートを行ったという「独創的だと思う人物ランキング」が発表され、多少のヨイショ? もあってか"太田光"が世界的な偉人より上位にランクされていたり、1位にはその太田が「意外! 京大生の回答自体が"独創"的」と驚く人物の名前があったりと、いきなり京大の“独創力”が発揮される結果に。続いてそれぞれの専門分野で「独創的だと思う人物」を挙げた教授陣も、コメントの端々にちょこちょことジョークを挟んで笑いをとるのだが、これもまた関西ならではの自由な気風か!?
太田と教授陣が次第にヒートアップ!
「先生たちが"ぶっちゃける瞬間"がおもしろかった」と田中 |
さて、そんななごやかなムードでトークは進むかと思いきや、ここで太田が噛みついた! 教授たちが挙げるのは、遺伝学の祖と呼ばれるグレゴール・ヨハン・メンデルなど、現在こそその学説が定説となっているが、発表当時はそれまでの常識を真っ向から否定するトンデモ説として大バッシングを受けた学者たち。もし今、そんな説を口にする者が目の前に現れたら「先生の研究人生を全否定するかもしれない。そんなやつが出てきたら『負けたくない!』って本気でケンカするでしょ?」と迫る太田に、最初は「新しいことが明らかになるのは科学者の喜び」と冷静に反論していた教授も、次第に語気は熱を帯び、半ばケンカ腰? の論争が勃発。さらに客席の学生から「"独創力"はいいものだという前提がおかしい!」という意見が飛び出すなど、爆笑問題と教授陣のみならず、会場全体を巻き込んだ白熱のトークバトルへと展開していった。
収録後に行われた記者会見では、太田が「会場に入ったときから熱気がすごかった。学生たちは前のめりで熱心に聞いてくれるし、先生たちがまたガーッと攻めてくるから(笑)、僕らが引っ張られて夢中でしゃべってしまいました」、田中も「今日の収録は一番ライブ感があった。テレビ番組なんだけど、テレビに出てる感じが薄いような。漫才をするときは、反応がいい会場の方がやりやすいんだけど、それと同じような感覚がありました」と感想を。太田&田中も思わず乗せられた"爆笑問題×京都大学"の、知の異種格闘技戦は必見だ!
なおこの模様は、3月25日に『爆笑問題のニッポンの教養 京都大学スペシャル(仮)』(NHK総合 22:00~23:30)で放送される。