カナダのTorch Mobileは2月11日(現地時間)、WebKitをベースにしたWindows Mobile用Webブラウザ「Iris Browser」のプレビュー版を公開した。現在スペインのバルセロナで開催されているMobile World Congress 2008において実働デモが公開されている。
WebKitはAppleが開発したアプリケーション開発フレームワーク。もともとはHTMLレンダラとしてKDEプロジェクトのKHTMLをベースに開発されたもので、主に同社のWebブラウザであるSafariなどで用いられている。開発者はWebKitを用いることでWebアプリケーションで要求される画面描画やサーバとの通信といった動作を簡単に記述することができる。現在ではオープンソースとして公開されており、Adobe AIRといったアプリケーション実行環境や、NokiaのスマートフォンであるS60シリーズのWebブラウザなどでも採用されている。
Torch Mobile自身もWebKitのオープンソースコミュニティで活動しており、WebKitの技術をベースにしたWebブラウザ「Iris Browser」の開発を進めている。対応プラットフォームはTrolltech(1月にNokiaが買収を表明)のQtとQtopiaのほか、現在プレビュー版が公開されているWindows Mobile 6用のものがある。Windows Mobile 6用のプレビュー版は現在v1.0.4で、CAB形式の圧縮ファイルのサイズは1.9MB。同社サイトよりダウンロードが可能。
Iris Browserの特徴は携帯向けブラウザとしては非常に多機能なことが挙げられ、マルチウィンドウ/マルチタブ表示、UIカスタマイズ、タッチスクリーン/オンスクリーン・キーボード、手書き認識、画面の回転による表示方式変更、ズーム機能、SSL対応、アンチフィッシング、ポップアップブロックなど、通常のPCブラウザと比較して見劣りしない。タッチスクリーン関連のアクションが充実しており、いわゆるiPhoneライクな使い方も可能だ。