1月23日に米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた映画『モンゴル』の日本公開が決定した(4月5日公開)。これを受けて8日、都内で記者会見が行われ、主演の浅野忠信が出席し、作品への思いやアカデミー賞ノミネートの喜びを語った。
同作は、ドイツ・ロシア・カザフスタン・モンゴル合作の壮大な歴史大作。浅野が演じるモンゴルの英雄・チンギス・ハーンがモンゴル帝国を築くまでを、過酷な大自然や激しい騎馬戦を交えて描く。もともと、日本での公開予定はなかったが、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされると一転、公開が決定した。浅野は「日本で公開されないのは寂しかったので、嬉しいですね。これで周囲にも胸を張って『見て』と言えます」と喜んだ。一方、撮影については「モンゴル人の方にセリフを吹き込んでもらったCD-Rを聞いて、必死で覚えたんですが、いざ、撮影の1週間前になるとセリフが全部変わってしまって……。『お前のモンゴル語はめちゃくちゃだ』と言われたこともありました」と、全編モンゴル語で撮影されたため、セリフを覚えるのに苦労したという。
「撮影は過酷でしたが諦めずに頑張った」という浅野。その甲斐あってか、同作はアカデミー賞にノミネートされた。「想像もしていませんでした。もし授賞式に出席できるとすれば、妻(chara)と一緒にレッドカーペットを歩きたいですね。撮影の苦労を本当に知っているのは彼女だけですから」と期待を膨らませる。さらに、主演映画『地球で最後のふたり』が2003年のベネチア国際映画祭に出品された際に「現地でインタビューを受けていると、てんとう虫が手にとまったんですよ。周囲から『これはいいことがある』と言われて。結果、主演男優賞をいただきました。実は、モンゴルで撮影していた時も同じような体験をしたんです。だから、今回もいけるんじゃないですかね(笑)」と笑顔でジンクスを披露した。
同作出演へのオーディションを受けた理由を聞かれて「モンゴルの英雄の話をロシア人が監督して、日本人が主演するという設定に興味が沸きました」と浅野 |
記者会見の前日まで仕事でアメリカに行っていたという浅野は、アカデミー賞授賞式が行われるアメリカに特別な思い入れがある。「会ったことはないんですが、祖父がアメリカ人なので、深い関わりがあるような気がするんです。だから、いつかアメリカ人と一緒に映画を作りたいなと思っていました。今回の事は、勝手にですが祖父に感謝しています」と感慨深げに語る。「これをきっかけに、積極的に海外の作品にも出演したいですね」と、本格的な海外進出への意欲を見せつつも「僕は日本映画のためになることには力を入れていきたい。海外での経験を日本で生かしていければ」と、あくまでも日本をベースに活動していくことを強調した。だが、アカデミー賞を受賞したとしたら、世界が放っておかないかもしれない。
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