スバル(富士重工業)は、スイスで3月4日より開催される第78回ジュネーブ国際モーターショーに、世界に先駆けて欧州市場へ導入するボクサー(水平対向)ディーゼルエンジン搭載の「レガシィ」「アウトバック」、欧州デビューとなる新型「フォレスター」、さらに環境対応技術として電気自動車の「G4e Concept」と「R1e」を出品すると発表した。
今回搭載される「スバル ボクサーディーゼル」は、剛性が高い水平対向エンジンのメリットを生かし、アルミ合金製のシリンダーブロックを採用し、同排気量(2.0L)の水平対向ガソリンエンジンよりも全長を61.3mm短縮した(全幅は同等)。左右のピストンが互いの慣性を打ち消し合うため回転がスムーズで、低振動、高静粛性が可能であり、スポーティディーゼルに相応しい滑らかに吹けあがるエンジン特性を持つという。
主な仕様は、水平対向4気筒DOHC16バルブターボディーゼル、燃料供給装置:コモンレール、可変ノズルターボチャージャー、排気量:1998cm3、最高出力:110kW(150PS)/3600rpm、最大トルク:350Nm(35.7kgf・m)/1800rpm、CO2排出量:148g/km(レガシィ セダン)となっている。
これを搭載する「レガシィ2.0D」「アウトバック2.0D」は、水平対向ディーゼルエンジンをスバル独自の「シンメトリカルAWD」と組み合わせることで、高い走行安定性と優れた加速性能を確保。欧州ユーロ4規制にも対応するという。
「フォレスター」は、日本で2007年末にフルモデルチェンジした3代目が欧州に投入される。欧州市場には2.0Lのモデルが用意される(一部市場には2.5Lターボモデルも展開)。
参考出品の「G4e Concept」は環境負荷の少ない電気自動車の将来の姿をイメージしたコンセプトカー。重い、狭いという従来の電気自動車の概念を覆し、バッテリーを床下へ収納することで5名乗車を可能とするパッケージングを採用した。また、高性能な次世代リチウムイオンバッテリーを搭載し、軽量化を図ると同時に、1回の充電での走行距離を200kmとしている。
「R1e」はR1をベースにした電気自動車。家庭用電源でも8時間でフル充電が可能なほか、急速充電器を用いれば15分で約80%の充電も可能。シティコミューターとして実用化を目指しており、すでに40台が共同開発のパートナーである東京電力での業務などで使用されている。2009年には日本で年間100台規模で販売を開始する計画である。