OpenCompositing.orgは7日 (米国時間)、OpenGLベースの3Dウインドウマネージャ「Compiz 0.7.0」をリリースした。現時点ではUNIX系OS汎用のソースコードのみ公開されているが、OSディストリビュータから順次バイナリパッケージが提供される見込み。
今回のリリースでは、マルチディスプレイをサポート。2台以上のモニタを接続したPCで、広いデスクトップを利用した作業が可能になった。X Window Systemのクライアント間における相互運用の標準規格「ICCCM」に沿った仕様の見直しも行われ、ウインドウスタックやフォーカスの扱いに関する動作が変更された。ほかにも、マウスの中 / 右クリックの設定が可能になったほか、ウインドウタイトルバー上のマウスホイールが利用できるようになるなど、Gnome使用時の操作性が改善されている。
Compizは、OpenGLの3Dアーキテクチャを活用したウインドウマネージャ。当初はXgl (OpenGLで描画するX Window Systemの技術) 上で動くウインドウマネージャとして開発されたが、その後Accelerated Indirect GLX (AIGLX) にも移植されている。なお、開発コミュニティの分裂により、派生版の「Beryl」が一時期存在したが、2007年5月にCompizとの統合が決定、ウインドウマネージャコアは「Compiz」に、プラグインおよび設定ツールは「Compiz Fusion」に集約された経緯がある。