日立アプライアンスは、ルームエアコンの新モデル「ミストでうるおい ステンレス・クリーン 白くまくん」(Xシリーズ)を発表した。価格はすべてオープン。発売日、推定価格などは表の通り。
多くのメーカーでは、高機能な省エネエアコンを、ルームエアコンの一番上位のモデルとしてラインナップしている。しかし、同社の場合、昨年度のモデルから、高機能省エネエアコンである「Sシリーズ」の上に、さらにプレミアムモデルとしてXシリーズをラインナップしている。昨年モデルでは、Xシリーズにのみミストによる脱臭機能が搭載されていたのだが、2008年モデルでは、Sシリーズにも搭載されている。
そのような状況で発表された2008年度のXシリーズの最大の特徴となっているのは、やはりミスト機能。ただし、Sシリーズのミスト機能とは、目的としているところが異なる。Sシリーズでは、室内の空気中の水分を結露させ、そこから得た水に高電圧を掛けることで、イオン化した細かな水の粒子を発生させ、脱臭/アレル物質の抑制を行うというもの。それに対して、Xシリーズでは、室内だけでなく、外気からも水分を取り込む。室外/室内から取り込まれた空気は、ペルチェ素子で冷却された超撥水処理を施したチューブを通り、効果的に水分が集められる。これにより、イオンミストの発生量は従来の約3倍となった。イオンミストの発生量が増えたことで、肌の保湿効果が得られるというのが、Xシリーズの最大の特徴だ(もちろん、脱臭/アレル物質の抑制効果もアップしている)。イオンミストが肌の角質層に浸透するだけでなく、帯電している水分が吸収されたことで肌の表面が帯電し、空気中の水分がより多く浸透するとのことだ。
同社によると、エアコンのユーザーの多くは、暖房時の室内の乾燥を気にしているという。しかし、加湿器を使用すると、室内の結露や、カビの発生などが心配という声も多く、加湿器を購入しても、実際には使用していないというユーザーも多いとのことだ。Xシリーズでは、イオンミストを室内に放出するが、もともと、空気中にあった水分を細かな水の粒子として放出しているだけなので、部屋の湿度が変化するということはない(実際には、外気から取り込まれた水分の分だけ室内の湿度は上昇するが、ミストとして放出される水分はせいぜい1g/h以下なので、ほとんど影響はない)。カビなどの発生を気にせずに運転できるという。
また、省エネ性能もアップしており、APFは6.1(冷房能力4.0kW機)。年間のCO2発生量は11年前のエアコンに比べて、335kg減少している。同社によると、これは約シロクマ1頭分の重さとのことだ。
また、Sシリーズでは室内機の幅は798mmだが(冷房能力5.0kWのモデルまで)、Xシリーズでは、昨年同様875mmとなっている。これは、高効率なワイド幅の熱交換器やミスト発生機構などの搭載によるものだ。また、Xシリーズでは外気の取り込みや、室内空気の排気機能も搭載されている。そのため、現在、エアコンの室内機が設置されている場所にリプレイスする場合、ダクトの径などにも注意が必要だ。
型式 | 能力 | 電源 | 冷房時適用畳数 | 発売時期 | 推定価格 |
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RAS-X28X | 2.8kW | 単相100V | 10畳程度 | 4月下旬 | 27万8,000円前後 |
RAS-X36X | 3.6kW | 単相100V | 12畳程度 | 4月下旬 | 28万8,000円前後 |
RAS-X40X2 | 4.0kW | 単相200V | 14畳程度 | 3月上旬 | 29万8,000円前後 |
RAS-X50X2 | 5.0kW | 単相200V | 16畳程度 | 3月上旬 | 31万8,000円前後 |
RAS-X63X2 | 6.3kW | 単相200V | 20畳程度 | 3月上旬 | 34万8,000円前後 |
RAS-X71X2 | 7.1kW | 単相200V | 23畳程度 | 3月上旬 | 36万8,000円前後 |