ブリヂストン美術館は9日より「コレクションの新地平-20世紀美術の息吹」を開催する。同展では、同館所蔵の戦後美術品と近現代美術品のコレクション90点余りを展示。レジェの「コンポジション」やカンディンスキーの「二本の線」など近年の新収蔵作品も紹介する。開催期間は4月13日まで。

1981年、理事長に就任した石橋幹一郎の没後10年を記念して開かれる同展では、ブリヂストン美術館による20世紀美術のコレクションを紹介する。展示構成は、4つのセレクションで展開。第1のセレクションでは、レジェやカンディンスキーをはじめとした、20世紀前半の抽象絵画を展示。それに加えて、戦前の日本において抽象絵画に取り組んできた斉藤義重や猪熊弦一郎などの作品も並ぶ。第2のセレクションでは、戦後のフランスや日本におけるアンフォルメル系の画家、アメリカのアクション・ペインティングの画家たちの作品を並べる。

第3のセレクションでは、北京に生まれ、第2次世界大戦のあとパリに渡ってアンフォルメルの運動に身を投じたザオ・ウーキーにスポットを当てる。国内最大を誇る同館のザオ・ウーキーコレクションから、油彩・水彩画合わせて17点を公開。ザオ・ウーキーについて元石橋財団理事長の故石橋幹一郎氏は、「西洋と東洋との混在した独自の清新な画風であった」と語っている。第4のセレクションでは版画や水彩画などを展示。油彩画とは異なった、水彩画ならではの趣を楽しめる。また、1930年代から60年代までのアメリカ美術を代表する画家の1人、ベン・シャーンの版画「マルテの手記」24枚すべてが公開される予定となっている。

入場料 一般が800円/65歳以上600円/大学・高校生500円/中学生以下無料
開館時間 10時~20時。日曜・祝日のみ10時~18時
休館日 毎週月曜日(祝日の場合、翌日休館)

作品紹介

イマンツ・ティラーズ 《自然は語るH》 2006年 合成ポリマー、グアッシュ、16枚のカンヴァスボード (c)Courtesy of the artist

ワシリー・カンディンスキー 《二本の線》 1940年 ミクストメディア

村井正誠 《人びと》 1983年 油彩、カンヴァス

堂本尚郎 《連続の溶解9》 1964年 油彩、アクリル/カンヴァス