米NVIDIAは2月4日(現地時間)、物理演算プロセッサ(PPU)の「PhysX」で知られる米AGEIA Technologiesの買収で合意したと発表した。買収金額などの詳細は発表されていない。PPUは第3の演算ユニットとして、CPUやGPUなどの演算処理を助ける役割を果たす。AGEIAの製品は特にゲーム用途で広く利用されており、同社によればPhysX対応ゲームは140種を超えるという。
PhysXは物理的な相互作用の処理をハードウェア・アクセラレートする。強力なGPUと組み合わせることで、よりリアルなグラフィックのリアルタイム処理が可能になる。「NVIDIAはわれわれに最適の組み合わせだ。同社はGPUとゲーム業界でのリーダーであり、世界最高のパラレルコンピューティング技術を持っている」と米AGEIA創業者でCEOのManju Hegde氏は述べている。またNVIDIA社長兼CEO Jen-Hsun Huang氏も「世界で最も普及しているGPUと物理演算エンジンのブランドを作り出したチームが一緒になることで、GeForceでアクセラレートされたPhysXを世界中の何億というゲームユーザーに届けられる」と述べており、ベストパートナーだとの認識を共有している。
PhysXは2002年設立で、本社所在地はNVIDIAと同じ米カリフォルニア州サンタクララ。同社はPhysX PPUのほか、物理演算ソフトウェアライブラリ「PhysX SDK」の提供も行っている。これはゲームPCのほか、ソニーのPlayStation 3、MicrosoftのXbox 360、任天堂のWiiといった次世代ゲーム機向けにもリリースが行われており、同社によればPhysX SDKの登録ユーザー数は1万人を超えるという。買収の詳細や今後の展開については、NVIDIAが2月13日の午後2時(米国太平洋時間: PST)に開催するカンファレンスで説明する。