富士通ゼネラルは4日、家庭用ルームエアコン「nocria Z」「nocria S」シリーズ2008年モデルを発表した。nocria Zは冷房能力2.8kW(10畳用)の「AS-Z28T」から7.1kW(23畳用)の「AS-Z71T2」までの5機種、nocria Sは、冷房能力2.2kW(6畳用)の「AS-S22T」から4.0kW(14畳用)の「AS-S40T2」までの4機種がラインナップされる。なお、冷房能力4.0W以上のモデルはすべて電源が単相200Vとなる。発売は、21日より順次開始され、価格はオープン。市場価格は、Zシリーズの冷房能力2.8kWモデル「AS-Z28T」で22万円前後、4.0kWモデル「AS-Z40T2」で24万円前後、Sシリーズの冷房能力2.2kWモデル「AS-S22T」で15万円前後、2.5kWモデル「AS-S25T」で16万円前後と予想される。
今まで省エネエアコンを取り付けられなかったスペースにも設置できる「nocria S」(下)、「nocria Z」シリーズ。「Sシリーズが取り付けられない部屋に取り付けられるエアコンは存在しない」(同社)とのこと |
2008年モデルのnocriaの最大の特徴となっているのが、室内機の小型化。高機能な省エネエアコンは、熱交換器の大型化や自動クリーニング機構の搭載などにより、どうしても大型化する傾向にある。同社によると、10年前のエアコンに比べて、約3~4割程度、室内機が大型化しているという。そのため、省エネエアコンを取り付けたくても、部屋によっては不可能というケースも少なくない。新モデルでは、nocria Z/Sのどちらも、高さ25cmという業界最小のサイズを実現し、カーテンレールの上などにも問題なく設置できる。また、幅もZで89cm、Sでは72.8cmとなっており、こちらもまた業界最小。同社によると「どの部屋にでも取り付けられる省エネエアコンの開発は、地球温暖化対策の一環」とのことだ。
nocria Zとnocria Sとは、高機能な上位モデルと普及モデルという関係ではなく、nocria Zがワイドリビング向けモデル、nocria Sがプライベートルーム向けのモデルという位置付けだ。とくにSは、今まで省エネエアコンが取り付けられなかった小さな部屋でも、省エネエアコンが付けられるように、と開発されたモデルだという。
小型化だけでなく、省エネ機構も充実。とくに新設計された通風機構は、エアコン上部の吸い込み口を拡大すると同時に前面パネルを開くことで抵抗を低減、さらにパワーディフューザーの可動範囲を広げることで、昨年モデルに比べて約10%、送風効率がアップしている。熱交換器は、小型で高効率な「高密度マルチパス熱交換器」を採用。従来の熱交換器に比べて約20%、効率がアップしており、2010年省エネ基準を、今回発表された全てのモデルでクリアしている。
フィルターおそうじ機能は、清掃能力をアップした新方式を採用。ブラシを独立して動作させ、3回に分けてフィルタークリーニングを行う。1回の動作ごとにブラシのクリーニングも行われるため、ブラシに埃が残らず、効率的なクリーニングが可能だ。さらに、フィルター自体に高密度メッシュを採用することにより、通風抵抗の低減と埃の除去率アップを実現し、実使用時の省エネ能力を向上させている。
また、同社のエアコンと言えば、暖房時の強力なパワーもポイントとなっているが、2008年モデルでも、外気温2°Cのときの定格暖房能力が8.5kW、さらに外気温-15°Cの場合でも6.1kWの暖房能力を実現している(AS-Z40T2)。
そのほか、Sシリーズでは、梅雨どきなどに、湿度を下げ過ぎないで快適な除湿を行う再熱除湿機能や、ポリフェノール空気清浄フィルターによる除菌・脱臭・集じん機能なども搭載。Zシリーズでは、低濃度オゾンによる脱臭機能、防カビ機能のほか、足元の温度を検知して効率的に温めるための「フロアサーモセンサー」や、運転停止中に使わない回路の電源をオフにし、待機時消費電力ゼロを実現する省エネ機能などが搭載されている。