シグマは、35mm判換算28mm相当の単焦点レンズを搭載したコンパクトデジタルカメラ「DP1」を正式発表した。発売時期は2008年春の予定。価格はオープンで、推定市場価格は約10万円。
「DP1」は、2006年にドイツで開催されたフォトキナ(Photokina 2006)に初めて参考出品された。APS-Cサイズのセンサーを内蔵し、レンズを単焦点としたコンパクトデジタルカメラ。センサーには同社のデジタル一眼レフと同様、1画素でRGBの情報を取得できる独自の「FOVEON X3センサー」を搭載するのが最大の特徴。1画素の大きさは7.8μm。
レンズは35mm判換算28mm相当となる16.6mm F4単焦点レンズ。レンズ交換はできない。一眼レフ交換レンズ用と同等の大口径ガラスモールド非球面レンズを採用し、歪曲収差が少なく、高いコントラストを実現したという。スーパーマルチレイヤーコートの採用でフレアやゴーストを低減。オプションでレンズフードも用意される。
撮影モードはオートのほか、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアルモードが用意され、シーン撮影モードは搭載されない。また、±3EVの露出補正や、オートブラケット撮影にも対応する。測光モードは、評価測光、中央部重点平均測光、スポット測光の3モード。ISO感度はISO 100/200/400/800。
画像記録形式はロスレス圧縮方式を採用したRAWデータとJPEG。RAW現像ソフト「SIGMA Photo Pro」が付属する。「FOVEON X3センサー」の特長として輝度情報と色情報を1:1の形式で取り込んでいるため、ほかにはない自然なバランスを持った画像を撮影できるという。JPEGはHigh/Wide/Medium/Lowの4種のサイズが選択できる。
AF方式は通常のコンパクトデジタルカメラと同じくコントラスト検出方式。AFポイントは9点。AF合焦範囲を50cm~∞とマクロ向けの30cm~∞に切り替えができるほか、マニュアルフォーカスも可能。ピント調整時にフォーカスフレームの範囲を拡大表示する機能も持つ。また、QVGA(320×240ピクセル)で30fpsの動画撮影機能も備える。動画形式はAVI、撮影後約10秒の音声付き静止画も撮影できるほか、WAV形式のボイスレコード機能も持つ。
ガイドナンバー6の手動ポップアップ式小型フラッシュを内蔵。赤眼緩和モードやスローシンクロモード、1/3EVステップでの調光補正にも対応する。液晶モニターは2.5型約23万画素TFT液晶。本体上部にはホットシューも備え、外部フラッシュのほか、専用ビューファインダー「VF-11」(税別2万円)も装着できる。外部インタフェースは、USB2.0、ビデオ出力、オーディオ出力(モノラル)を備える。電源は専用リチウムイオン電池「BP-31」で、約250枚の撮影が可能。記録メディアは、SDメモリーカードでSDHCにも対応。本体サイズは113.3(W)×59.5(H)×50.3(D)mm、重さ240g(本体のみ)。