メールアカウントの扱いなどで四苦八苦

1997年以降、ネットワークの世界では、eメール、チャット、オンラインゲームなどが次から次へと中国人の生活に入り込んできたが、これら新サービスを受け入れるに際しては、さまざまな滑稽な話がある。以下では、今回の報告書が伝えるネットユーザーの"初体験の告白"を紹介し、中国におけるインターネット10年史を振りかえってみたい。

「初めてアクセスしたのはポータルサイトの網易。料金を節約するため、コンテンツを保存してからオフラインにし、画像などに1時間以上も見入っていた」(初ネット体験は1997年、27歳、男性)

「ネット接続する動機は、ネットを通じてeメールのやり取りができると聞いたから。大学入学した当時、大学近くのネットカフェでメールアカウントの登録ができたが、使い方が分らず、自分のメールアカウントをアドレス帳にそのまま入力してしまった」(29歳、男性)

「ネットカフェに入るなり、管理人に『聊天室(チャットルーム)』はどこ? と聞いてしまった。私と一緒にカフェに入った同級生は、いまだにこのことを笑いのタネにしている」(初ネット体験は1999年、23歳、女性)

「はじめてネットカフェへ行ったら、人々がQQ※を使ってチャットしているのを見た。自分もQQのアカウントを登録し、チャットを楽しんでいた。だがQQのアカウントを繰り返して使えることを知らず、毎回自分の網友(ネット友達)のアカウントを控えては、新たにアカウントを取得していた」(同2000年、21歳、男性)

※ポータルサイト「騰訊網」を運営する騰訊が提供するインスタントメッセージサービス

「はじめてネット友達とデートした時のこと。お互いの場所を確認するために何度も電話をかけ合っていたのだが、気がついたら2人で背中向かいに電話をしていた。その距離わずか数センチ。まるで映画かなんかみたいだった」(同2001年、20歳、女性)

ネットカフェで美女の画像を開いたままフリーズ

「ネット上で初めて美女の写真画像をみた時のこと。たくさんのページを開いたが、閉じ方がわからなかった。あるとき偶然PCがフリーズしてしまい、ネットカフェの女性管理人に処理してもらったが、恥ずかしくて仕方がなかった」(同2002年、22歳、男性)

「初めてオンラインゲームをプレイしたころは、PCゲームとの違いがわからなかった。自分1人で3日間もプレイしたものだ。あるとき、ネットワーク上で知り合った人から一緒に魔獣を倒そう、と誘われ、誘われるまま一緒にプレイした。ところで今どこにいるのかと聞かれたので、都市名とネットカフェの名を教えたが、私もここいるよと言われたときは、本当に驚いた」(同2003年、26歳、男性)

「ある日、何気なくあるブログサイトにアクセスしたが、ブログを使えば簡単に自己表現ができることが分かった。すぐさま自分のブログを開設し、毎日のように文章を更新しながら、好きな男性に思いを伝えたが、気持ちはぜんぜん通じなかった」(同2005年、22歳、女性)

「普段は仕事が忙しく、週末は家でゴロゴロするだけで、ショッピングする時間も、気力もなかった。そのため、ネットから本や化粧品、服装などを買うようになったが、2006年には1年間で、2万元(約32万円)も使った。ネットショッピングは私のような人にぴったり合っている」(同2006年、25歳、女性)

「インターネットはこれまで若者の興味の対象だと思い、家にはPCもインターネット回線もあったが、従来は娘が一人で使っていた。だが、今年に入ってから、株価やファンドによるもうけ話をよく聞いたので、自分も勉強し、株やファンドのネット取引を是非やってみたい」(同2007年、60歳、男性)

以上のように、数多くの人々が、戸惑いながらも、インターネット文化になじんでいったことが分かる。今後どのような新しいサービスが現れるのか。多くの人が心待ちにしていることは間違いない。