VIA Technologiesは米国時間の1月24日、新マイクロアーキテクチャを採用するプロセッサコア「Isaiah」(開発コードネーム) の詳細を説明すると共に、2008年前半に最初の製品を出荷する計画を明らかにした。
IsaiahアーキテクチャはVIAの子会社である米Centaur Technologyで開発されている。CentaurのGlenn Henry社長は「開発チームは100人に満たないが、非常に優秀なエンジニアが、世界で最も電力効率に優れ、そして最新の機能、卓越したパフォーマンス、柔軟なスケーラビリティを備えたx86プロセッサアーキテクチャをゼロから作り上げた」と述べる。VIAはIsaiahのターゲットを「小さな美」(Small is Beautiful)を備えたデバイス」と説明する。モバイルにおいては、豊富な機能をコンパクトでスタイリッシュに実現し、デスクトップおよびパーソナルエレクトロニクスではリッチなメディアコンテンツやブロードバンド時代のインタラクティブなネットを存分に楽しめるデバイスを実現する。具体的にはスリム・軽量ノートPC、UMPC、環境に優しい小型デスクトップPC、デジタルエンターテインメントセンターなどを挙げる。HDビデオや3Dゲーム、仮想世界など、今日のコンピューティング、エンターテインメント、接続性に対応するパフォーマンスを、可能な限り効率的に実現することにこだわって設計したという。
Isaiahアーキテクチャのポイントは以下の5つだ。
64bit Superscalar Speculative Out-Of-Orderマイクロアーキテクチャ : 実行効率を高めるOut-Of-Order型のスーパースケーラ、Macro-fusionおよびMicro-fusion機能、洗練されたブランチ予測。加えて64bitの命令セットをフルサポートする。
高速動作とメディア処理 : 初期製品のクロック動作は最大2GHz。FSBを800MHz~1333MHzでスケーラブルに設定可能。さらに2つの64KBのL1キャッシュ、排他制御を行う16ウエイ構成の1MB L2キャッシュからなるキャッシュ・サブシステムが効率性を引き上げる。
省電力と温度管理 : 消費電力を抑える回路テクノロジを新たに採用。アイドル時にキャッシュを含めて消費電力を落とす"C6"ステートをサポートするなど、アグレッシブな動作電力管理を行う。またアクティブステートをスムースに切り換えるTwinTurbo dual-PLLやダイ温度の新管理機構などを含む、Extensive Adaptive PowerSaverテクノロジを備える。
スケーラブルなアップグレード : 65nmルールで製造されるIsaiahアーキテクチャ採用の第1世代プロセッサは、現行のVIA C7プロセッサファミリとのピン互換が確保される。
VIA PadLock : ランダムナンバージェネレータ(RNG)、AES暗号化エンジン、SHA-1およびSHA-256ハッシングを含むVIA PadLock Security Engineがコアに統合されている。同エンジンには、メモリー領域の保護やフェッチングの暗号化などに対応する新たなセキュア実行モードが実装される。