米脚本家協会(WGA: Writers Guild of America)は、デジタル配信コンテンツに関わる利益配分などを巡ってストライキを続けている問題に関し、製作スタジオ側の業界団体となるAMPTP(Alliance of Motion Picture and Television Producers)との非公式協議を再開する旨をアナウンスした。

ニューヨークに拠点を置くWGAW(Writers Guild of America, West)と、ロサンゼルスに拠点を置くWGAE(Writers Guild of America, East)はともに、担当した映画やテレビ番組が、インターネット上で配信されているにもかかわらず、十分な利益を受け取る権限がないとの脚本家側の主張を代表し、昨年11月よりストライキを決行。その後のAMPTPとの交渉も12月に決裂し、解決の見込みもないまま現在に至っていた。

現在、全米の脚本家がストライキを続けているため、新たな映画やテレビドラマの製作などが軒並みストップ。そればかりかWGAの要求に賛同する大物俳優が次々と出席を辞退するなどで、第65回ゴールデン・グローブ賞の受賞セレモニーまで中止されてしまった。この異例の事態に、来月開催予定のグラミー賞授賞式、アカデミー賞授賞式への影響を懸念する声が数多く上がっていた。

しかしながら先週、WGAと同じくAMPTPと対立する状況にあった米監督協会(DGA: Directors Guild of America)が、契約交渉で一定の合意に達したことを受け、WGAとAMPTPの交渉再開を期待するムードも高まってきていた。

今回、WGAWとWGAEが共同で発表した声明によると、正式な合意に至るまでは、AMPTPとの交渉内容などに関し、一切コメントしないとしつつも、公式な交渉再開に向けて、非公式の協議に入ることを明らかにした。

「リアリティ番組やアニメーション作品などに関しては、WGAの管轄とはしない」などといった当初の要求の一部をWGAが取り下げたため、今回の交渉再開に漕ぎ着けられたのだという。