富士フイルムは、FinePix 誕生10 周年にあたる記念モデルとして、ダイナミックレンジを広げることで豊かな階調表現を実現したデジタルカメラ「FinePix S100FS」を2月下旬より発売する。価格はオープンだが、推定市場価格は10万円前後。
「FinePix S100FS」は、新開発の有効1110万画素の「スーパーCCDハニカムVIII HR」と「リアルフォトエンジンIII」を搭載し、従来比約4倍のワイドダイナミックレンジを実現した。カメラが自動で設定する[AUTO]のほか、撮影の意図に合わせて[100%][200%][400%]の3つのレンジ幅が選択できる。また、最高感度ISO 10000も可能にし(記録画素数300万画素。フルサイズではISO 3200まで)、高感度撮影時においての高解像度・低ノイズを両立させた。
またCCDは14ビットのデュアルチャネル出力とデュアルA/Dコンバータを組み合わせることで、並列処理による高速読み出しを実現した。連続撮影は通常秒3コマだが、高速連写では秒7コマが可能になる(記録画素数300万画素)。
レンズは28~400mmフジノン14.3倍ズームレンズ。マニュアルズーム方式を採用しており、すばやくズーム操作ができる。スーパーマクロでは最短1cmでの近接撮影が可能。レンズシフト式手ブレ補正機能により、シャッタースピード約3段分に相当する手ブレを補正する。AF性能の向上により、従来は難しかった低輝度でのピント合わせも高速化された。
画像の設定については、フィルムを選択する感覚で使える4種類の「フィルムシミュレーションモード」を搭載。色をより鮮やかに表現する「Velvia(ベルビア)モード」、見た目どおりの自然な色再現を可能とした「PROVIA(プロビア)モード」、弱めのコントラストで落ち着いた発色の「ASTIA(アスティア)モード」、滑らかな階調を表現する「PORTRAIT(ポートレート)モード」が用意された。これとは別に一般的なシーンポジションも装備。風景写真撮影に最適の「ネイチャー」「ネイチャーソフト」「ネイチャービビッド」などを含む14種類が選択できる。
新搭載のマルチブラケティング機能は、従来の「AEブラケティング」に加え、新たに「ダイナミックレンジ」「フィルムシミュレーション」においてもブラケティング撮影が可能。1回のシャッターで3種類の写真を撮影し、選択できる。また、カメラが自動で人物の顔を検出し、顔に合わせてピントや露出を最適化する「顔キレイナビ」も搭載している。
モニターは広視野角の約23万画素2.5型液晶、上90°下45°までのマルチアングルで撮影できる。ファインダーはフィールドシーケンシャル駆動方式を採用した約20万画素0.20型の電子ビューファインダーを搭載。発色性・色再現性が大幅に向上した。
FinePix S100FSの主な仕様は以下のとおり。有効1,110万画素2/3型スーパーCCDハニカムHR、焦点距離7.1~101.5mm(35mm判換算28~400mm相当)、撮像感度:オート/ISO100~10000(ISO6400は最大600万画素、ISO10000は最大300万画素)、約23万画素2.5型アモルファスシリコンTFTカラー液晶モニター、記録メディア:xDピクチャーカード/SD・SDHCメモリーカード、内蔵メモリーは約25MB、サイズ:133.4(W)×93.6(H)×150.4(D)mm、重量:約918g(本体のみ)/約968g(バッテリー・メモリーカード含む)。