NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコムの4社が、青少年へのより安心・安全な携帯電話・PHS向けインターネット接続サービスの提供を目的として、有害サイトフィルタリングサービス強化の具体策を相次いで発表した。4社共に、既存のフィルタリングサービスの認知拡大・利用促進に加え、新たな取り組みを順次実施していくとしている。
4社のサービス強化は、総務省が昨年12月10日に行った、青少年が使用する携帯電話・PHSにおける有害サイトへのアクセス制限の強化要請に沿うもの。現在、NTTドコモが「キッズiモードフィルタ」「iモードフィルタ」「時間制限」、KDDIが「EZ安心アクセスサービス」、ソフトバンクモバイルが「ウェブ利用制限」「Yahoo!きっず」、ウィルコムが、「有害サイトアクセス制限サービス」と、4社共にフィルタリングサービスを提供している。しかし依然として、携帯電話から出会い系サイトなどを通じ事件に巻き込まれるケースが多発している現状から同省は、「フィルタリングサービスの導入促進に向けた取り組みを、健全なコンテンツビジネスの展開の妨げとならないよう配慮しつつ、強化する」ことを要請していた。
発表された具体策は4社ともほぼ同様で、未成年者名義で新規契約する場合には、親権者にフィルタリングサービスの利用意向確認を行い、利用しないとの意思表示がない限りフィルタリングを適用する。成人名義での契約でも新規申込書に「未成年者利用確認欄」を設け、利用者が18歳未満の場合には同様に、フィルタリングサービスを原則的に有効とする。
既存契約者を対象にした取り組みも強化する。18歳未満の未成年者名義で既にインターネットサービスを利用しており、フィルタリングサービスを適用していない場合には、請求書同封物やEメールなどで、親権者に対してフィルタリングサービスの利用の意思確認を行う。指定の期間内に親権者から利用しないとの意思表示がない限りフィルタリングを適用する。成人名義の契約で、利用者が18歳未満である場合にも、フィルタリングサービスの利用の意思確認を行い、利用しないと意思表示がない限りフィルタリングを適用する、といったもの。
今回の具体策の発表に伴い、KDDIでは「EZ安心アクセスサービス」の名称を「EZ安心アクセスサービス 接続先限定コース」に変更するほか、3月6日より新たに「EZ安心アクセスサービス 特定カテゴリ制限コース」を追加する。従来のフィルタリングサービスではいわゆる「公式コンテンツ」以外には一律アクセスできずPCサイトビューアーも使用不可となっていたが、新サービスでは、ネットスターが提供するURLデータベースのうち、アダルト・出会い系など違法と思われるコンテンツや成人向けのコンテンツなどのカテゴリに属するサイトへのアクセスを制限するので、フィルタリングを行いながらも一般のサイトへはアクセス可能となっている。他の3社は、同内容のサービスとして「iモードフィルタ」(NTTドコモ)・「ウェブ利用制限」(ソフトバンクモバイル)・「有害サイトアクセス制限サービス」(ウィルコム)を既に 提供中。
上記のフィルタリングサービスの強化は、ソフトバンクモバイルが1月中旬から、NTTドコモ・KDDIが2月1日から、ウィルコムが2月から順次実施する。このほか、NTTドコモとKDDIは、中学校・高等学校を対象に実施している、携帯電話を安全に利用するための啓発活動「ケータイ安全教室」(NTTドコモ)・「ケータイ教室」(KDDI)を、2008年度も引き続き、内容を充実させて積極的に実施していくとしている。