インテルは16日、2008年の経営方針、製品戦略などについての記者説明会を開催した。業績報告にはじまり、2008 International CESで公開された新プラットフォームなど次世代製品への言及、ほかエコロジー対応などの様々な取り組みも発表されている。
同社代表取締役共同社長の吉田和正氏はまず、米Intelの2007年第4四半期(10~12月期)、および通期決算の内容を報告した。
2007年第4四半期は、売上高107億ドル(前年同期比10.5%増)、営業利益30億ドル(同105%増)、純利益23億ドル(同51%増)で、四半期の売上高で過去最高を記録した。同四半期はマイクロプロセッサとチップセットが好調で、両製品の出荷数と売上高はともに過去最高。しかしフラッシュメモリの出荷数が前期並にとどまり、かつ価格低下の影響があったことで、売上高は当初予測(中間値)には届かなかった。
2007年通期決算では、売上高383億ドル(前年比8%増)、営業利益82億ドル(同45%増)、純利益70億ドル(同38%増)。推進中の経営合理化やCore マイクロアーキテクチャの製品優位性が業績向上の主な要因としてあげられている。事業部門別では、デジタル・エンタープライズ事業が売上高203億ドル、営業利益52億ドル。モビリティー事業が売上高147億ドル、営業利益56億ドル。フラッシュメモリ事業を含むその他事業が売上高33億ドル、営業利益マイナス26億ドル。
2007年を好調な年だったと説明する吉田氏は、引き続き2008年を「さらなる飛躍の年にする」と宣言。45nmプロセスの新型プロセッサを幅広いセグメントに展開するほか、次世代アーキテクチャを採用する「Nehalem」の年内投入で弾みをつけたい考えを述べた。
2008年投入の製品としては、2008 International CESでクローズアップされた「Menlow」と「Canmore」についても期待して欲しいと紹介。説明会会場に設けられたショウケースではそれぞれの実働サンプルが展示されていた。高速でシームレスなインターネットを実現するとされるWiMAXに関しても、ワイヤレスブロードバンド企画を設立し、2009年のサービス開始という目標が述べられた。
また、45nmプロセッサが電力効率に優れることをアピール。「エコプロセッサのリーダーシップ」(吉田氏)との表現で、環境への取り組みを積極的にすすめるという方針を表明する。ほか、"バリアフリーPC"を標榜し、使いやすいインタフェースを提供することでシニア世代のPC利用を支援する無償ソフトウェア「アラカイネット」の発表。そしてラグビーフットボールチーム「サントリーサンゴリアス」とのスポンサーシップ契約といった活動も紹介された。