2008 International CESにて、Paul Otellini氏の基調講演で大々的に紹介されていたIntelの「Menlow」。Intel Architecture採用の「Silverthorne」プロセッサと、シングルチップ設計の「Poulsbo」チップセットで構成される次世代の小型・低消費電力プラットフォームだ。
プラットフォーム自体がリリース前なので、試作や参考扱いの製品がほとんどではあったが、展示会場にもMenlowをベースとした各社のUMPC(Ultra Mobile PC)/MID(Mobile Internet Device)が一斉に出展されていた。本稿ではこれらをまとめて紹介したい。
注目のUMPC/MID
各製品ともハードウェアは5型前後からの液晶を備え、重量は500g程度から1kg未満あたりまで様々。タッチパネル液晶に対応したUI、およびソフトウェアキーボードをメインに利用する製品が多いが、製品によっては本体にスライド式で搭載するQWERTY配列のキーボードを装備するものもある。
OSはカスタムLinuxのほか、Windows XPや、中にはWindows Vistaが動作する製品も存在していた。Vista搭載製品は動作速度が気になるところだが、現行のVista搭載ノートパソコンと大差無い程度の挙動で、ひとまずは実用できそうという印象だ。
clarionの「MiND」(Mobile Internet Navigation Device)。Linuxベースの製品なのだが、GPSと地図データを内蔵し、カーナビとしても使えるという特徴がある。Google Mapとも連動可能 |
ASUSTeKの「R50A Ultra Mobile PC」。1.3GHz動作のSilverthorne搭載と明言されていた。システムメモリの容量は1GB、802.11g/bの無線LAN、Bluetoothなどを備え、GPSも内蔵する |
Elektrobit(EB)の「MIMD」。スライド式のQWERTYキーボードを備える |
東芝のUMPCを触ってきたぞ
動作実機を多数展示し、Menlow-UMPCを強くアピールしていたのが東芝。とはいえ出展は試作機であり、発売日や価格、製品名も固まっていないという状態だそうだが、現状のままでも実装機能は十分使い物になっていたし、カラーバリエーションのラインナップが紹介されていたりと、製品としてリリースしても問題ない感じだった。ちなみに同機のOSはWindows Vista。本体重量は500g弱で、ディスプレイは1024×600ドットの5.6型液晶というもの。
東芝のMenlow試作機。実機が数多く用意されていたおかげで"じっくり"触ることができたので、これをちょっと詳しくレポートしよう |
本体裏側。ちなみに、充電器兼リプリケータの専用ドックも用意される。ドック背面にはUSBとIEEE1394のポートを搭載 |
特徴として、本体にマウス操作が可能な感圧式ポインティングデバイスと左右クリックボタンを備えるほか、「eMotion Feel」と呼ばれる特殊なユーザーインタフェースを搭載している。eMotion Feelでは、内蔵加速度センサーにより本体の傾きなどを感知し画面をスクロールさせたり、タッチパネル液晶を利用し、ソフトウェアによるタッチパッド機能や、特定の指運びでランチャーなどを起動させるジェスチャー機能など実装する。「より直感的に操作できる」、同社独自のインタフェースとされていた。